【総務省/東京大学/ノキア】
メタバース普及を見据えたネットワークの進化
総務省 情報流通行政局参事官付 参事官補佐
松岡 遼太郎(まつおか りょうたろう) 氏
総務省では、メタバースの利活用や、Web3の市場が拡大しつつある中、メタバース等の仮想空間の利活用に関して、利用者利便の向上、その適切かつ円滑な提供及びイノベーションの創出に向け、ユーザの理解やデジタルインフラ環境などの観点から、様々なユースケースを念頭に置きつつ情報通信行政に係る課題を整理するため、令和4年8月から「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会」を開催し、本年2月に「中間とりまとめ」を公表した。
本講演では、この「中間とりまとめ」の内容を中心に、これまでの議論等をご紹介したい。
1.メタバース等が期待される背景等
2.「メタバース研究会」の概要
3.メタバース等のユースケースとその技術や基盤
-メタバース等のユースケース -メタバースを支える技術や基盤
4.研究会において整理した論点の例
5.今後の検討スケジュール等
東京大学 大学院 情報理工学系研究科 准教授
塚田 学(つかだ まなぶ) 氏
メタバースが次世代インターネットとして注目されているが、ネットワーク遅延やデータ量、処理能力の問題がある。通信事業者、データセンタ、OEM、サービス事業者、政策立案者などが協力して、調和のとれたネットワークアーキテクチャや計算資源に応じたMulti-access Edge Computingの効率的な配備、大規模End-to-End性能測定などの課題に取り組む必要がある。
1.メタバースの定義と概要
2.メタバース実現に求められるデジタルインフラの課題と要件
3.ネットワーク遅延、データ量、処理能力の問題
4.大規模End-to-End性能測定の必要性
5.デジタルインフラの課題解決のための取り組み
ノキアソリューションズ&ネットワークス(同) CTO
柳橋 達也(やなぎばし たつや) 氏
ノキアでは、2030年のコミュニケーションを形作る様々な要素を分析し、テクノロジービジョン2030という形でまとめており、その中でメタバースは主要な技術トレンドの1つとして位置付けられている。5G以降のセルラー通信では、適用領域が4Gまでのコンシューマ主体であったものが、ビジネス・ミッションクリティカルなエンタープライズ領域にまで拡大している。ビジネス・ミッションクリティカルなメタバースを実現する上で、コネクティビティを提供するセルラーネットワークの進化は不可欠である。
本講演では、ノキアのテクノロジー2030を紹介し、セルラーネットワークがビジネス・ミッションクリティカルなメタバースを実現する上でどのように進化する必要があるのかを論じる。
1.2030年のコミュニケーションの姿・かたち
2.Web3.0
3.メタバース
4.セルラーネットワークの進化とメタバース
2009年10月 総務省 入省。情報通信国際戦略局、総合通信基盤局、大臣官房秘書課、情報流通行政局等で情報通信行政に携わる。2018年 8月 鹿児島県肝付町役場に出向。ICT推進室長の職を拝命する。2021年4月 総務省 帰任。2022年7月 現職。
2021年より、名古屋大学特任准教授および、Aalto大学客員教員も兼任。2005年 慶應義塾大学環境情報学部卒業。2007年 慶應義塾大学政策・メディア研究科修士取得。2007年よりフランス・パリ国立高等鉱業学校 (Mines ParisTech) ロボット工学センター博士課程在籍および、フランス国立情報学自動制御研究所 (Inria)にて研究員として勤務。2011年博士号取得。2014年よりSoftware Defined Media(SDM)コンソーシアム・チェア。 2014から2022年までWIDEプロジェクトのボードメンバー。自動運転のネットワーク通信、インターネット映像音声に取り組む。https://tlab.hongo.wide.ad.jp/ja/
1995年 外資系システムインテグレータ入社以降、固定及び移動体系通信ネットワーク向けシステム・ソリューション提案業務に従事。2008年 前身となるノキア シーメンス ネットワークス株式会社に入社し、以後モバイルコア製品を中心に、エンドエンドソリューションの提案業務に携わる。2020年1月にベル研究所に移籍し、5Gネットワークスライシングに関する標準化活動を経て、2020年7月より現職。