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日欧の蓄電池事業と
1月27日(月)
(株)日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門
戦略企画部 部長/プリンシパル
段野 孝一郎(だんの こういちろう) 氏
2050年カーボンニュートラルに向けて、再エネ大量導入が進む中、調整力不足や系統混雑解消のための切り札として、蓄電事業が期待されている。国内ではこれまでBehind the Meter事業(BTM事業)が中心だったが、電気事業法の改正、需給調整市場の開始、政府による補助金、長期脱炭素電源オークション等の影響もあり、In Front of the Meter事業(IFM事業)が拡大している。
本講演では、蓄電事業に係る電気事業法等の政策動向や市場動向等を踏まえ、拡大する日本の蓄電事業の動向と事業機会や収益モデルを解説する。
1.蓄電事業が必要とされる背景
2.Behind the Meter事業(BTM事業)とIn Front of the Meter事業(IFM事業)
3.蓄電事業に関連する日本のエネルギー政策動向
(1)系統用蓄電池の導入拡大に向けた政策動向
(2)系統用蓄電池の導入の現状と今後の見通し
(3)蓄電池産業戦略検討官民協議会の検討状況
(4)系統用蓄電池の導入促進に向けた今後の課題
4.日本における現状の収益モデル
(1)アービトラージモデル
(2)調整力収入モデル
(3)容量収入モデル(脱炭素電源オークション) 等
5.蓄電事業の収益性検証について
6.まとめ
7.質疑応答
日本工営エナジーソリューションズ(株)
事業戦略本部 欧州地域担当
兼 Nippon Koei Energy Europe B.V. Executive Director
小川 隆行(おがわ たかゆき) 氏
2020年4月の発送電分離以降、欧州型の電力システムの整備が日本で進み、需給調整市場の開設、インバランス制度の改定などが進んだ。 2024年4月には、需給調整市場の全商品の取引が始まり、欧州に類似したビジネスモデルで蓄電池プレーヤが活躍できる可能性が開けた。
本講演では、英国・ベルギーの蓄電ビジネス市場で当社が獲得してきた知見、日本国内における当社の取組状況を紹介すると共に、蓄電池活用の基本、蓄電ビジネスを巡る課題、将来展望などを需給調整市場で取引するアグリゲータである当社の視点を交えて解説する。
1.当社の概要とエネルギー事業の紹介
2.欧州における蓄電ビジネスへの取組み
(1)欧州進出から現在までの流れ
(2)アグリゲータYUSO社への出資とベルギーでの取組み
(3)英国 系統用蓄電所50MWh×2か所の紹介
(4)ベルギー系統用蓄電所100MWhの紹介
3.日本における蓄電ビジネスへの取組み
(1)VPP構築および再エネアグリ実証事業への参加
(2)地域マイクログリッドにおける蓄電池の活用
(3)需給調整市場、容量市場、長期脱炭素電源オークション
(4)系統用蓄電所の本格化と現状の整理
4.アグリゲータの役割と重要性
(1)アグリゲータYUSO社の紹介とビジネスモデル
(2)英国、ベルギーにおけるトレーディング戦略
(3)AI活用と取引の自動化
5.当社のエネルギー事業の今後の方向性
(1)長期戦略シナリオと重点領域
(2)再エネ併設型蓄電池(DC接続蓄電池)
(3)水力発電所のFIP化とRE100電力供給事業
6.まとめ
7.質疑応答
京都大学大学院工学研究科博士前期課程修了(工学修士)。2007年に株式会社日本総合研究所に入社。環境・エネルギー、資源・水ビジネス、情報通信 ・ICT分野のクライアント企業に対して、技術戦略およびマーケティング戦略の視点から、事業戦略策定、新規事業開発、事業化支援等のコンサルティングを提供している。注力テーマは「カーボンニュートラル」、「電力・ガス制度改革」、「Post-FIT」、「エネルギー×AI/IoT」。2023年度からは環境・エネルギー分野のコンサルティングに加えて、同社戦略企画部にてリサーチ・コンサルティング部門の戦略立案も担当。
1994年に日本工営株式会社に入社。変電設備やダムの監視制御システムの開発に携わった後、日本・欧州を中心に蓄電池を核としたエネルギー事業の立上げに従事する。現在は、2018年にオランダ・ロッテルダムに設立したNippon Koei Energy Europe B.V.(NKEE)で欧州を中心とした蓄電池事業の拡大を推進している。資格: 技術士 (総合技術監理部門、情報工学部門)