会場受講/ライブ配信/アーカイブ配信(2週間、何度でもご視聴可)
【顧客基盤強化と競争力向上のための決済サービス統合】
〜拡大見込まれる市場で押さえておくべき重要なポイント〜
5月30日(木) 終了済
堀総合法律事務所 弁護士(日本/ニューヨーク州)
ジュニアパートナー
関口 諒(せきぐち まこと) 氏
近時、いわゆるフィンテックの進展に伴い、様々な資金決済サービス・資金決済ビジネスが登場しており、消費者向けの決済サービスは既に社会に広く浸透している。一方、事業者向けの決済サービスは普及の途上にあり、ユニークな事業者向け決済サービスが続々と登場している状況が見受けられるところ、企業における今般のDXの必要性を契機として、BtoBの電子的な決済に関連するビジネスは更なる広がりが期待されます。
一般に決済ビジネスはいわゆるネットワーク効果が働きやすく、強固な顧客基盤を有している事業者に有利な側面があり、加えて、既存のサービスとそれに適合した決済サービスを組み合わせることで既存顧客に付加価値をもたらすことが可能となり、既存サービスの競争力を高めることにも繋がり得ることから、これまで決済ビジネスとは無縁であった事業者においても、決済ビジネスへの参入は検討に値するものと思われます。
一方で、資金決済サービスについては銀行法、資金決済法、割賦販売法等の業態ごとの様々な規制の対象となりうるものであり、かつ、これらの法令は近時頻繁に改正されており、複雑さを増しています。また、例えば、いわゆる「電子マネー」といった場合に、電子マネーという名目によって適用される規制が決まるわけではなく、その電子マネーが前払いなのか後払いなのか、払戻しが可能なのか不可能なのかといった機能に応じて適用される規制が決まることになるため、想定する「電子マネー」の機能を分析したうえで、必要な規制対応を確定する必要があります。そのため、新たな資金決済サービスを開発・検討するにあたっては、法務部門のみならず、事業開発部門においても、こうした法規制についての勘どころを押さえておくことが非常に有益になります。
そこで、本講演では、金融事業者・非金融事業者における、法務部門の方のみならず、事業開発部門の方も聴講者と想定して、まず、資金決済ビジネスへの参入の意義について簡単に紹介し、次に、資金決済サービスに関する法規制の全体像を概観するとともに、BtoBでの資金決済を想定して、送金サービス、支払決済サービス、決済代行サービスという資金決済サービスの種類ごとに参入検討時の規制上の勘どころについて解説を行います。
1.資金決済ビジネスへの参入の意義
2.決済サービス規制の全体像
(1)決済サービス規制の概観
(2)電子マネーサービスの概要と規制の全体像
(3)後払い決済サービスの概要と規制の全体像
3.事業者向け送金サービス
(1)銀行による送金サービス
(2)資金移動業者による送金サービス
(3)振込代行による送金サービス
(4)電子決済等代行業による送金サービス
4.事業者向け支払決済サービス
(1)送金方式での支払い
(2)前払式支払手段での支払い
(3)即時払いサービスでの支払い
(4)クレジットカードでの支払い
(5)個別信用購入あっせんによる支払い
(6)収納代行
5.決済代行サービス
(1)決済代行業者による収納チャネルの提供
(2)銀行支払の決済代行
(3)クレジットカード払いの決済代行
(4)資金移動業・前払式支払手段による支払いの決済代行
(5)収納代行による支払いの決済代行
6.ファクタリング
7.ステーブルコイン規制の概要と事業者向け決済への利用の可能性
8.質疑応答/名刺交換
堀総合法律事務所に所属し、予防法務から紛争処理に至るまで各種企業法務を担当。とりわけ銀行、信託会社、証券会社、保険会社、投資運用業者、ベンチャーキャピタル、決済事業者等における金融法務案件に注力。著書として、「新たな信託ソリューションと法務-円滑なM&A・事業承継のために-」(きんざい、共著)、「スタンダード 営業店の金融法務」(経済法令研究会、共著)、「海外の決済関連サービスの我が国での適応可能性-事業面および法規制面からの検討-」(金融法務事情Vol.2126、共著)、「海外の保険テックサービスの我が国での適応可能性-事業面および法規制面からの検討-」(金融法務事情Vol.2127、共著)等。