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米国のデータセンターの動向と電力需給〜主要プレイヤーのビジネスモデルと今後の構想〜
2月 4日(火)
クリーンエネルギー研究所 代表
阪口 幸雄(さかぐち ゆきお) 氏
近年、「生成AIの拡大に伴い、データセンターが電力を爆食いする」というニュースがメディアを賑わしているが、日本のメディアの論調は、客観的な視点を欠き、煽るような記事がほとんどのように見受けられる。
データセンタービジネスが急激に増え始めたのは、主要なクラウドサービスプロバイダーが本格的に事業を拡大し、企業がオンプレミスのデータセンターからクラウドに移行する動きが加速した2000年代後半から2010年代前半にかけてである。以来、20年間、着実に技術やサービスモデルが成長してきており、この基盤や技術革新を抜きには今後の動向を語れない。
AI(特に生成AI)は、このクラウドサービスや技術革新の上にうまく乗ると同時に、学習とクエリーが分担されて行われるが、スケーラビリティとデータセンター全体での最適化が極めて重要である。ハードウエアや低消費電力技術も、ビジネス規模の拡大に伴い、急速に発展しており、日本企業の参入も増えてきた。
米国在住40年の講師が、米国のデータセンタービジネスが現在どうなっており、主要プレイヤーが誰で、今後どう推移するか、本当に電力危機を招くのか、電力のクリーン化はどう進むのかを、具体的な事例を交えて解説する。
1.現在のデータセンター
(1)米国の大規模データセンターの動向
(2)立地条件
(3)データセンターの電力需要
(4)ハイパースケール・データセンター
(5)コロケーション・データセンター
2.データセンターのビジネスモデルとプレイヤーを整理する
(1)データセンター運用事業者
(2)データセンターハードウエア提供事業者
(3)クラウドサービスプロバイダー
(4)AI事業者(OpenAI等)
3.生成AIの需要増によるデータセンター需要の急増
(1)生成AI向けのデータセンターの電力需要
(2)生成AIにより電力需要はどれぐらい伸びるか
(3)生成AIの学習と応答に必要な電力
4.データセンター向けのクリーンな電力供給の動向
(1)現在はほとんどPPA契約か、グリッドからの購入
(2)アンバンドルされた再生可能エネルギー証明書(REC)
(3)今後は再エネかSMR(小型モジュール原子炉)か
(4)NuScale社のSMR(小型モジュール原子炉)は立ち上がるか
(5)隣接設置は主流となるのか
5.データセンター向けの差別化技術
(1)NTTの次世代情報通信基盤「IOWN」技術
(2)データセンター向けのニッチビジネスで脚光を浴びる会社
(3)進むデータセンターの冷却技術
6.質疑応答
※プログラムは最新状況に応じて変更する場合があります
シリコンバレー在住の著名コンサルタント。米国のクリーンエネルギーと、日本のビジネスへの影響にフォーカスしたコンサルタント会社の代表をつとめる。シリコンバレーを中心に、エネルギー問題の定点観測を長期間行い、今後の動向と日本企業の対応についてのきわめて明解なビジョンを持つ。専門分野は、エネルギー貯蔵、発送電分離、デマンドレスポンス、分散電源、太陽光発電、水素発電、電気自動車、等。
日本の大手エネルギー企業、日本政府機関、大学等のアドバイザーを多数務める。
シリコンバレーに39年在住。日立(日本と米国)にて17年間最先端の半導体の開発に携わったあと、そのビジネス経験や物性の知識を活用すべくエネルギー分野に。
ホームページ http://www.technology4terra.org
「日経エネルギーNext」に「シリコンバレー発、電力Biz」を連載中
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/112900154/113000002/
※近著:【「脱炭素化」はとまらない!-カリフォルニアとハワイの場合-】https://www.amazon.co.jp/dp/4425985214