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電力システム再設計の方向性〜新たな概念「ハイブリッド市場」を踏まえて〜
12月19日(火) 終了済
東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所
経営戦略調査室チーフエコノミスト
戸田 直樹(とだ なおき) 氏
安定供給と両立する脱炭素化が世界的に電力システムの課題となる中、卸電力市場がすべてを調整することを前提とした現在の考え方は再考の時期にある。現在のシステムの対案として、各国の研究者は「発電事業の長期的な投資決定を短期的な運用から切り離す」ハイブリッド市場を提唱している。この考え方は日本でも欧州でも適用されつつあるといえるが、過渡期のためかちぐはぐさも見られる。ハイブリッド市場の背景と理論、日欧における適用の状況を詳説する。
1.現在の電力システム改革の理論
(1)卸電力市場が運用も投資も最適化する
(2)理論の限界の顕在化
2.ハイブリッド市場
(1)ハイブリッド市場とは 市場のための競争と市場における競争
(2)ハイブリッド市場が求められる背景
3.日本におけるハイブリッド市場の適用
(1)長期脱炭素電源オークション
(2)澤モデルもハイブリッド市場
(3)同時市場
4.欧州電力市場改革案をハイブリッド市場の視点で見る
(1)現在の市場のパフォーマンス
(2)PPA
(3)差額調整契約(CfD)
5.日本の足元の改革議論への所感
(1)経過措置料金
(2)カルテル疑い事案問題
(3)卸電力の内外無差別
6.質疑応答
1985年 東京大学工学部卒業後、東京電力(現東京電力ホールディングス)入社。
2009年より2年間 電力中央研究所社会経済研究所派遣(上席研究員)。
2015年 同社経営技術戦略研究所経営戦略調査室長。2016年より現職。
最近の著作(いずれも共著)
「エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ」(2017年 日本経済新聞社)
「公益事業の変容 持続可能性を超えて」(2020年 関西学院大学出版会)
「カーボンニュートラル実行戦略 電化・水素・アンモニア」(2021年 エネルギーフォーラム社)
「未来のための電力自由化史」(2021年 日本電気協会新聞部)
「エネルギー産業2030への戦略-Utility3.0を実装する」(2021年 日経BP社)