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「これって許諾が必要?不要?」に答える
〜具体的な事例・裁判例で「相場感」を掴む〜
7月27日(木) 終了済
弁護士法人内田・鮫島法律事務所 パートナー弁護士
高瀬 亜富(たかせ あとむ) 氏
著作権法を学ぶ際、誰でも「(著作物とは)思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」という定義(著作権法2条1項1号)に接すると思います。しかし、この定義を暗記したのみでは、「これは利用の際に著作権者の許諾が必要な『著作物』なのか?」という問題に直面したとき、答えを出すことは困難でしょう。この問題に回答するためには、色々な創作物について、どのようなものが「著作物」と認められ、どのようなものが「著作物」と認められなかったのかという具体例に接することにより、「相場観」のようなものを身に付けておく必要があります。
同じことは、「どこまで似たら著作権侵害なのか?」という問題にも妥当します。裁判例では、「表現形式上の本質的な特徴を直接感得することができる」程度にまで類似している場合には著作権侵害が成立するという判断基準が用いられることが多いですが(最判平成13年6月28日民集55巻4号837頁[江差追分]等)、この判断基準を覚えるだけでは、二つの似たような創作物を目の前にし、「これらは著作権法上許されない程度に類似しているのか?」という問題に直面したとき、明確な回答を出すことは難しいはずです。ここでもやはり、具体例を踏まえた「相場観」的なものを身に付けておく必要があります。過去の裁判例は、そのような具体例の宝庫です。
本講座では、可能な限り具体的な事例・裁判例を紹介しながら著作権法の基礎を学びます。具体的な事例・裁判例を通して考えることで、抽象的で難解に思えた著作権法の理解が深まるはずです。
1.なぜ「著作権法」が重要なのか?
過去の炎上事例を参考に、著作権の重要性を理解する。
2.「著作権法」の思考枠組み
個別の論点を学習する前に、まずは著作権法の考え方の枠組みを理解する。
3.「著作物」とは?
スマートフォンを使って何気なく撮影した写真も著作物??
どのようなものが「著作物」に該当するのか、裁判例に顕れた具体例を踏まえて理解する。
4.「著作者」とは?
作品のコンセプトを考えた人は著作者??
誰が著作物を創作した「著作者」として扱われるのか、裁判例に顕れた具体例を踏まえて理解する。
5.「著作者人格権」とは?
タイトルを変更しただけで著作者人格権侵害??
どのような行為が著作者人格権侵害になるのか、裁判例に顕れた具体例を踏まえて理解する。
6.「著作権」とは?
他人のブログに勝手にリンクを張ると著作権侵害?? どこまで似たら著作権侵害??
「著作権」の具体的な内容について、裁判例に顕れた具体例を踏まえて理解する。
7.質疑応答/名刺交換
2007年3月北海道大学法科大学院2年課程修了、2008年12月東京弁護士会登録。都内法律事務所において勤務後、2013年5月に弁護士法人内田・鮫島法律事務所に入所。2019年7月同事務所パートナー。現在に至る。著書に、伊藤雅浩=久礼美紀子=高瀬亜富『ITビジネスの契約実務』(商事法務、第2版2021年)、田村善之=高瀬亜富=平澤卓人『プラクティス知的財産法II 著作権法』(信山社、2020年)、共著『著作権法コンメンタールⅠ〜Ⅲ』(第一法規、2020年)等がある。