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検討が進む「GXリーグにおける排出量
12月12日(月) 終了済
京都大学大学院 地球環境学堂・経済学研究科 教授
諸富 徹(もろとみ とおる) 氏
2022年10月26日に開催されたGX実行会議で岸田首相は、「炭素税と排出量取引制度のハイブリッド型」とされるカーボンプライシング(CP)の具体的な制度案を提示するよう指示した。排出量取引については、GXリーグで具体案の検討が進み、2023年4月に本格稼働の予定。本講演では、制度設計の現状を徹底解説し、その課題と今後の展望について論じる。
1.10月26日GX実行会議で示されたCP導入の基本方針
(1)同会議における岸田首相による発言の骨子
(2)西村康稔経済産業大臣(=GX実行推進担当大臣)が示すCP検討の方向性
2.検討が進む排出量取引制度の設計(「GXリーグにおける排出量取引に関する学識有識者検討会」)
(1)基本コンセプト
(2)情報開示基盤〜GXダッシュボード
(3)GXリーグとカーボン・クレジット市場の関係
3.GX-ETSの具体的内容
(1)GX-ETS参加企業に求められるもの
(2)目標排出量および基準年度の設定
(3)「超過削減枠」とは何か
(4)排出量の算定と検証に関する論点
(5)価格の安定化措置
(6)第1回有識者会議における経産省回答のポイント
4.GX-ETSへのコメント
(1)GX-ETSの特徴とは何か〜EU ETSとの比較
(2)自主参加型ETSの利点と欠点
(3)かつての「排出量取引試行制度」の失敗から得られる教訓
(4)GX-ETSは自主参加型ETSの欠点をどのように克服しようとしているのか
5.GX-ETSは義務的制度に発展するか〜「段階的発展をめぐる論点」について
6.質疑応答
1998年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、2010年3月より現職。2017年4月より京都大学大学院地球環境学堂教授を併任。環境経済学をベースに、カーボンプライシングや再生可能エネルギー政策、電力市場に関する研究を推進。京都大学大学院経済学研究科「再生可能エネルギー経済学講座」代表も務める。
主著に、『環境税の理論と実際』(有斐閣、2000年)、『脱炭素社会と排出量取引』(日本評論社、共編著、2007年)、『低炭素経済への道』(岩波新書、共著、2010年)、『脱炭素社会とポリシーミックス』(日本評論社、共編著、2010年)、『入門 地域付加価値創造分析』(日本評論社、編著、2019年)、『入門 再生可能エネルギーと電力システム』(日本評論社、編著、2019年)、など。環境省中央環境審議会「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」など、国・自治体の政策形成にも多数参画。