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エネルギーをめぐるシナリオ分析と
4月 4日(月) 終了済
(公財)地球環境戦略研究機関
上席研究員/シニアフェロー
(有)クライメート・エキスパーツ 代表取締役
松尾 直樹(まつお なおき) 氏
COVID-19に代表されるように、将来を見通すことはかなり難しい。エネルギーの世界でも、昨年末に洋上風力で総取りした三菱商事の提示した価格は、それまでの日本の常識を大きく覆すものであった。
このように、大きな想定外のイベントや、前提が大きく変わることが起きた場合には、現在日本政府の想定している青写真が大きな変更を余儀なくされる。想定している既存化石燃料インフラ重視・海外からの水素系燃料の大量輸入の各種前提が崩れる可能性もあるであろう。
どのようなことがどう起きるか?の確度を現時点で推し量ることは難しいが、そのようなことが起きた場合に、どう対処すべきかを前もって考えて(用意して)おくことは可能であるし、望ましい。
ここでは、エネルギー供給側のコスト面(再エネ、ブルー/グリーン水素/アンモニア)、需要面の変革(電気自動車、電化へのシフト)、そしてエネルギー政策の考え方(海外依存に対する考え方)、各種付加価値の要求、カーボンプライシング、海外/EUの黒船(炭素国境メカニズム、 タクソノミー、情報開示等)、 海外での原発事故 等の「可能性」を想定しつつ、複数の将来の可能性を整理し、その「分岐」のクライテリアや選択肢のロバストネスを、リスクや機会の観点から、定性的に考えてみる。
1.日本の現状のエネルギー政策(第6次エネ基)の特徴を考える
(1)第6次エネルギー基本計画(2030年)
(2)2050年に向けた基本政策分科会での議論
(3)進捗状況の分析
(4)現状のエネルギー政策のポイント(化石燃料依存、海外依存、再エネコスト、原発、需要側、etc)
2.今後、大きく想定が異なる可能性がある要素とそれらのインプリケーション
(1)エネルギー供給コスト関係(再エネ、ブルー/グリーン水素/アンモニア、CCUS、国内/海外、原発、etc)
(2)エネルギー需給関係(電化、電気自動車、VPP、建築物、etc)
(3)その他の考えるべきポイント(海外依存度、新しい付加価値、CBAM、カーボンプライシング/GXリーグ、etc)
(4)その他の可能性(海外原発事故、経済的危機/伝染病、各国気候政策の失敗、目標強化/短期化、etc)
3.上記の不確実性化における判断のクライテリアとその考え方
4.企業としての戦略設計に関するヒント
5.質疑応答
■現在
(有)クライメート・エキスパーツ 代表取締役 (温暖化コンサルティング) (2002-)
(株)PEARカーボンオフセット・イニシアティブ 代表取締役 (途上国ビジネス) (2007-)
(株)クールイノベーション 取締役 (革新的冷蔵技術・途上国コールドチェーン) (2020-)
(公財)地球環境戦略研究機関 上席研究員/シニアフェロー (気候変動戦略研究) (2017-)
慶應義塾大学 非常勤講師 (大学院低炭素関係) (2009-) 等
■その他
(財) 日本エネルギー経済研究所 (気候変動と電力の研究) (1991-1998)
(財)地球環境戦略研究機関 (気候変動問題戦略研究) (1998-2002)
(財)地球産業文化研究所 (IPCC) (1998-2001) 等
大阪大学大学院理学研究科物理学専攻 博士後期課程修了 (理学博士)