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変化を続ける電力・ガス市場のルールと競争政策〜ベースロード、容量、非化石価値、需給調整市場を正しく理解し勝ち残る〜
3月 3日(木) 終了済
阿部・井窪・片山法律事務所 パートナー 弁護士
松田 世理奈(まつだ せりな) 氏
全面自由化後の電力・ガス市場では、安定供給の観点や再エネ普及の要請も踏まえつつ、可能な限り競争原理を導入するため、ベースロード市場、容量市場、非化石価値取引市場、需給調整市場など、様々な市場が創設されました。
加えて、昨今は脱炭素に向けた政策転換や世界的な燃料価格の上昇、需給ひっ迫による電力のスポット市場の高騰、大手新電力の経営破綻、公正取引委員会による電力・ガス市場のカルテル疑惑に対する立入検査など、前代未聞の事態が相次いでいます。
このような混沌とした変革の時代に、市場競争で勝ち残っていくためには、まずは市場の制度やルールを正しく理解し、事業戦略を構築することが肝要です。本セミナーでは、変化し続ける電力・ガスの関連市場について横断的に解説するとともに、市場設計・監視の実務を踏まえた法的留意点についてお伝えします。
1.電力・ガス市場の競争政策
(1)電力・ガス市場の全体像
(2)自由化以降の競争政策の進捗-卸取引の内外無差別-
(3)電力・ガスの適正取引ガイドライン
2.電力のスポット市場
(1)大手電力会社による自主的取り組み-機会費用の導入-
(2)卸市場の不公正取引-インサイダー取引・相場操縦-
(3)電力・ガス取引監視等委員会による勧告事案
(4)間接オークションとグロス・ビディング
(5)買い入札価格の問題
3.ベースロード市場、容量市場、非化石価値取引市場、需給調整市場など
(1)各市場のルール
(2)市場における不正行為の禁止
(3)他の市場や制度との関係
4.先物市場の拡大と今後の展望
5.独禁法によるルール
(1)カルテルのリスク
(2)電力・ガスに関する過去の独禁法違反審査事件
(3)既存契約の見直しと優越的地位の濫用
6.質疑応答/名刺交換
2007年 東京大学法学部卒業、2009年 東京大学法科大学院卒業、2010年 阿部・井窪・片山法律事務所入所、2015年 電力・ガス取引監視等委員会事務局取引監視課で勤務、2017年 公正取引委員会事務総局審査局訟務官付として勤務、2019年 阿部・井窪・片山法律事務所復帰、2021年から電力・ガス取引監視等委員会専門委員を務める。
電力・ガス取引監視等委員会への出向時には、卸取引担当の課長補佐として、全面自由化の際の電力・ガスの適正取引ガイドラインの改定や卸市場の活性化に向けた取り組み等を担当。その後、公正取引委員会において、カルテル・談合等を中心に、独禁法違反事件の審査や取消訴訟の実務を経験。知的財産分野にも詳しく、直近3年度の公正取引委員会の知的財産研修の講師なども務める。
現在は、電力・ガス取引監視等委員会の制度設計専門会合委員として、電力・ガスの競争政策に携わりつつ、弁護士として、電力・ガス事業を行うクライアントからの相談に対し、専門的知見から実践的な法務サポート・アドバイスを行う。