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2021年を振り返り、今後の炭素制約下社会に-COP26や第6次エネ基、温対計画改定を受けたこれからのアクション選択の考え方
1月17日(月) 終了済
(有)クライメート・エキスパーツ、(公財)地球環境戦略研究機関
代表、上席研究員
松尾 直樹(まつお なおき) 氏
2021年は、気候変動問題に関して、国際的にも国内的にもマイルストーン的な一年であった。
国際的には、パリ協定の最初の年で、インドやサウジなどの国まで炭素中立を宣言し、グラスゴーのCOP26では+2℃ではなく+1.5℃上昇が事実上のゴールであるという雰囲気が醸成された。EUもかなり具体的な行動計画Fit-for-55を用意してきている(含炭素国境調整)。
国内でも、マイナス46%目標設定と、その達成のための青写真第6次エネ基や改正温対計画が策定された。年末には2つのカーボンプライシング委員会が再開、EV補助金の増額、いくつかの海外のブルーアンモニアプロジェクトが動いてくるなどの動きも見せている。
本講演においては、これらを受けて、今後10年程度のタイムフレームで、われわれはどのようにこの問題に対処していくことが適切か?という点を、各種のリスクや機会の視点をベースに、いろいろな例を交えながら、総括・考察する。
1.激動の2021年を振り返って
(0)世界の排出トレンドとCOVID-19の影響
・IPCC AR6の意味するところとIEAなどの将来シナリオ
(1)国際的なトレンド形成
・各国の2030年目標と炭素中立目標
・グラスゴーCOP26のもたらしたものとその評価
・EUの行動計画Fit-for-55の意味するところ(EU ETS、国境炭素調整, 自動車規制等)
(2)国内の46%削減目標と第6次エネルギー基本計画
・日本の排出トレンド(2020年時点)
・第6次エネルギー基本計画と改正温対計画をどう読むか?
・影響の大きい政策措置と見通し
・カーボンプライシングの行方
(3)民間企業の動き
・海外のリーディング企業の動き
・各種イニシアティブと自主的炭素市場
・国内大企業の動き
2.今後の求められるアクション(reactive)
(1)国内規制やデファクト規制対応
・省エネ法・温対法、GHG Protocol (Scope 1 to 3)、TCFD、...
(2)自主的な目標設定とアクション
・炭素中立目標、RE100、SBT、 ...
3.ビジネスで打って出るにあたっての考え方 (リスクと機会)(proactive))
(1)将来の不確実性の評価
・2050年に向けてのエネルギーシステムの各種要素に関する考察(リスクと機会)
(電化、水素関係、CCS関係、カーボンリサイクル関係、EV関係、バイオマス関係、...)
(2)自社の方向性設定における考え方
・切り捨て分野の判断.強みを活かす.提供するもの.ストーリー性
・成長が見込まれているものに乗る
・他社対応をサポートする...
4.未来社会の提案という視点 (vision-oriented)
5.質疑応答
■現在
(有) クライメート・エキスパーツ 代表取締役 (温暖化コンサルティング) (2002ー)
(株) PEARカーボンオフセット・イニシアティブ 代表取締役 (途上国ビジネス) (2007ー)
(株) クールイノベーション 取締役 (革新的冷蔵技術・途上国コールドチェーン) (2020ー)
(公財) 地球環境戦略研究機関 シニアリサーチフェロー (気候変動問題戦略研究) (2017ー)
慶應義塾大学 非常勤講師 (大学院低炭素関係) (2009ー) 等
■その他
(財) 日本エネルギー経済研究所 (気候変動と電力の研究) (1991ー1998)
(財) 地球環境戦略研究機関 (気候変動問題戦略研究) (1998ー2002)
(財) 地球産業文化研究所 (IPCC) (1998ー2001) 等
大阪大学大学院理学研究科物理学専攻 博士後期課程修了 (理学博士)