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EU国境調整措置の勘所とカーボンプライシング
2月17日(木) 終了済
京都大学大学院地球環境学堂・経済学研究科 教授
諸富 徹(もろとみ とおる) 氏
本講演では、日本でも関心を集めているEU国境調整措置をとりあげ、それとカーボンプライシングの関係を明らかにする。まず、最近発表されたEU案のポイント、そして国境措置が必要とされる背景理由を解説する。そのうえで、自由貿易ルールに反しないのか、日本の産業に影響はないのかなど主要論点を見た上で、日本のカーボンプライシング論議に国境措置がもつ意義を明らかにしたい。
1.「EU国境調整措置」とは何か〜なぜ、それが必要とされているのか
(1)背景としてのカーボンニュートラルに向けたEU気候変動政策
(2)その産業への影響と緩和措置
(3)EU国境調整措置の仕組み
2.EU排出量取引制度の概説
3.EU国境調整措置をめぐる論点
(1)自由貿易ルールとの整合性は?
(2)誰が影響を受けるのか?
(3)これで本当にEUの産業を守れるのか?
4.日本の産業への影響
5.日本のカーボンプライシング論議への影響
6.日本もカーボンプライシング導入時に国境措置を導入すべきか?
7.質疑応答
1998年京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、2010年3月より現職。2017年4月より京都大学大学院地球環境学堂教授を併任。環境経済学をベースに、カーボンプライシングや再生可能エネルギー政策、電力市場に関する研究を推進。京都大学大学院経済学研究科「再生可能エネルギー経済学講座」代表も務める。
主著に、『環境税の理論と実際』(有斐閣、2000年)、『脱炭素社会と排出量取引』(日本評論社、共編著、2007年)、『低炭素経済への道』(岩波新書、共著、2010年)、『脱炭素社会とポリシーミックス』(日本評論社、共編著、2010年)、『入門 地域付加価値創造分析』(日本評論社、編著、2019年)、『入門 再生可能エネルギーと電力システム』(日本評論社、編著、2019年)、など。環境省中央環境審議会「カーボンプライシングの活用に関する小委員会」など、国・自治体の政策形成にも多数参画。