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【不確定な未来を歴史から紐解く】
〜過去のエネルギー転換の事例からカーボンニュートラルを考える〜
12月 3日(金) 終了済
成城大学 経済学部/経営学科 教授
平野 創(ひらの そう) 氏
カーボンニュートラルの実現に向けてはエネルギー転換が不可欠となる。しかしながら、カーボンニュートラル社会に向けての需要・技術・政策・企業や人々の行為など我々の将来は不確実性に満ちている。
本講演では、過去のエネルギー転換の事例を参照することで、不確定な未来にどのような事態が発生しうるのか、歴史から将来を紐解いていく。鯨油から石油への転換、石炭から石油・天然ガスへの転換の事例は、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換の進め方に多くの示唆を与えてくれる。歴史家でもあり経営学者でもあるという複眼的な視点から展望していく。
1.エネルギー転換の事例研究
(1) 鯨油から石油への転換
(2) 石油産業の歴史と日本経済への影響
2.カーボンニュートラルとエネルギー転換
(1) カーボンニュートラルと製造業
(2) カーボンニュートラルとエネルギー産業
(3) 段階的なエネルギー革命の必要性
3.エネルギー転換に直面したエネルギー企業の事例研究:
大企業ほど失敗した事業転換
(1) 産業政策:積極的支援と実現しない意図
(2) 石炭企業の3つの対応策とその帰結
4.将来の不確定性:当たらない需要予測と語られない論点
(1) 我々は将来を見通せるのか:過去のエネルギーの需要予測と実需
(2) 語られない論点:非合理的な行動への目配り
5.質疑応答/名刺交換
1978年生まれ。2008年 一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了 博士(商学)。経営史、経営学を専門とする。特に重化学工業、コンビナート、石油産業の歴史を主たる研究課題とする。総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会石油・天然ガス小委員会、次世代燃料供給インフラ研究会、新しい石油産業像に関する研究会(以上経産省)、将来の社会シナリオ検討会(環境省)、川崎カーボンニュートラルコンビナート検討会議(川崎市)、いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出推進協議会(茨城県)など政府、地方自治体関係の委員を多く務める。また、エネルギー企業、自動車企業、地方自治体にて講演多数。四日市コンビナート先進化検討会会長、自動車技術会エネルギー部門委員会幹事。