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激動!ドイツのカーボンニュートラル〜欧州非炭素化の最新動向と日本への教訓〜
8月17日(火) 終了済
在独ジャーナリスト
熊谷 徹(くまがい とおる) 氏
現在ドイツ経済界の最大の課題の一つは、カーボンニュートラルへの努力だ。今年ドイツ政府はCO2排出量を実質ゼロにする時期を5年繰り上げて、2045年にした。鉄鋼業界、化学業界、自動車業界、電力業界、金融サービス業界は事業の非炭素化に拍車をかけている。EUの指揮の下、欧州経済界でESGの重要性は増す一方だ。
またドイツやオランダでは裁判所が環境保護団体の訴えを認め、政府や企業にCO2削減努力の強化を命じる例が増えつつある。今後世界中で、企業を相手取った気候保護訴訟の数が増えると予想されている。欧州で31年前から取材している元NHK記者が、非炭素化の実態と問題点を現地から報告する。
1.ドイツで急激に進む非炭素化の実態
2.カギを握るグリーン水素エネルギー
3.EUの厳しい気候保護政策「グリーン・リカバリー」と「FIT FOR 55」
4.EUタクソノミーは、世界の資金の流れをグリーン経済に向ける
5.産業界を悩ませるEU炭素国境調整メカニズム
6.パリ協定に強制措置という「牙」を与えた気候保護訴訟
7.欧州の非炭素化キャンペーンの問題点
8.日本への教訓
9.質疑応答
元NHKワシントン特派員。1990年以降はフリージャーナリストとしてドイツを拠点に、政治、経済、社会に関する記事を発表。主な連載媒体は日経ビジネス電子版、新潮社フォーサイト、毎日新聞出版エコノミスト、日刊工業新聞、日経ESGなど。著書に「メルケルはなぜ転向したのか」(日経BP)、「偽りの帝国・VW排ガス不正事件の闇」(文藝春秋)、「日本の製造業はIoT先進国ドイツに学べ」(洋泉社)、「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか」(青春出版社)、「パンデミックが露わにした国のかたち」(NHK新書)など多数。「ドイツは過去とどう向き合ってきたか」(高文研)で2007年度平和・協同ジャーナリ ズム奨励賞受賞。