SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

医薬品製造を目的としたプロセス化学と薬事規制及び製薬企業の動向

商品No.
R06B0135
出版月
2025年 2月
価格

印刷+CD-R(PDF)タイプ 154,000円 (税込)
印刷タイプ 132,000円 (税込)

ページ数
A4判 639ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー・リサーチ
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レポート内容
■ポイント■
 ・2019年2月発行「原薬・中間体製造プロセスにおける課題と対策 2019」を全面見直し、情報更新・大幅加筆!
 ・スケールアップを取り巻く製薬業界の製品品質に関係する規制や業界動向、受委託における技術伝承など多方面の情報を1冊で!
 ・GMP、ICH、PIC/S、同等性評価、生データなどに関して詳細解説!
 ・品質問題、不純物管理、遺伝毒性不純物、連続生産等も詳述!

■概要■
 2019年暮れから始まった新型コロナウイルス感染症はパンデミックとなり2023年第5類になるまでの4年間世界は閉塞感に覆われ「ニューノーマル」という新しい勤務形態が定着した。AIの進歩で情報の流れも飛躍的に改善された。医薬品を取り巻く環境は日々変化し抗体医薬品を中心にアンメット・メデュカルニーズを対象としたグローバル規模での激しいものがある。20世紀の終わりごろから始まった欧米での大型M&A、21世紀になって日本で起こった大型M&Aは製薬業界の構成に大きな変化をもたらし、新薬開発の流れもベンチャー企業からのシーズ獲得を目的とした流れが多くなった。最近の自国第一主義による貿易摩擦が企業に及ぼす影響力の大きさにも改めて思い知らされる時代となった。一般に医薬品の開発には15年近い歳月がかかる。特許切れ前までに如何に開発コストを回収し、それらの利益で次期新製品開発コストを捻出するかという課題は企業としては当然のことながら最重要課題である。スケールアップしていく過程の重要性は原薬・中間体製造をいかに効率よく短期間に仕上げ、コスト面でも優位に立てるようにすることであり、スケールアップ時の問題点の把握とトラブルシューティングを計画的な実験に基づくデータ解析により解決していくことである。医薬品が故に品質を厳しくコントロールする目的でGMP(Good Manufacturing Practice)という規制があり、GMP管理下で製造を行うということは、スケールアップの手法にも
一般の製造法とは異なる厳しい管理が生じる。製造された医薬品がどのように世界で受け入れられているのか医薬品業界の現状と動向についても解説を加え、製薬業界の課題と今後の展開、新薬開発状況と付随する治験薬GMP、更にジェネリック医薬品、バイオシミラー、抗体医薬品、受託製造企業や種々の薬事規制問題(ICH, PIC/S等)特に遺伝毒性不純物、元素不純物、コロナワクチン開発の流れに関しても触れる。IT、AI中心の時代、「データインテグリティ」もデータ取り扱いの信憑性に関する企業ぐるみのモラルが求められている。品質で勝負してきた多くの企業がコスト面でも対等に戦えるようになるか、それは本題であるプロセス化学の成果をいかんなく発揮できるか否かにかかってきている。
世界の動向を知り自分の仕事がどのような立ち位置にあるのかを理解した上で仕事を進めることが問題解決の大きな糸口になる。私の経験からスケールアップを取り巻く製薬業界の多方面の情報を取り入れ、総合的判断に基づき有効活用してもらえるようにした。
本書での知見や情報が少しでも読者の参考となり仕事の上で役に立てば幸甚である。

■著者■
橋本 光紀
-CONTENTS-
<1>スケールアップの基礎
1.はじめに
2.スケールアップのメリット
3.プロセス化学とは
4.ラボからパイロットスケールへのスケールアップの検討
5.スケールアップの基礎
6.スケールアップのポイント
7.静電気発生の基礎

<2>スケールアップの問題点
1.スケールアップの予備知識
2.プロセス開発の意義
 ・製法確立の留意点
 ・製造方法の確立
3.プロセス開発の問題点
 ・出発原料の決定:ICH Q11の影響
 ・反応条件の改良
4.反応の簡略化:One Pot Reaction
5.添加順序の変更
6.抽出操作の省略
7.乾燥剤の省略
 ・乾燥剤の省略
 ・乾燥工程の改良と省略
8.濾過工程の省略
9.抽出溶媒と反応溶媒の関係
 ・水溶性溶媒の場合
 ・非水溶性溶媒の場合

<3>改正薬事法とGMP
1.改正薬事法とは
 ・製造販売業の創設
 ・製造販売業と製造業
2.改正薬事法とアウトソーシング

<4>効率化とGMP対策
1.はじめに
2.結晶化の改良
3.濾過乾燥機
4.Discrepancy
5.技術の伝承
 ・技術伝承の意味
 ・技術移管のポイント など
6.反応安全性について
7.GMPとは
 ・医薬品製造の概念
 ・GMPとは など
8.ICHとは
 ・ICH Q7について
 ・ICH Q9について など
9.PIC/Sとは
 ・PIC/Sの歴史と日本の取組
 ・PIC/Sの今後の動向 など
10.GMPと設備:コスト削減
 ・GMPと設備
 ・設備・装置のバリデーション など
11.プロセスバリデーション
 ・目的
 ・予測的バリデーション(Prospective validation) など
12.洗浄バリデーション
 ・残留許容基準の設定
 ・許容限度の確立 など
13.洗浄バリデーションに用いられる分析方法
 ・分析法
 ・目視法

<5>結晶多形
1.はじめに
2.結晶多形とは
 ・結晶化の問題点
 ・結晶多形 Polymorphism など
3.結晶多形の取扱い
 ・米国における規制
 ・EUにおける規制
4.結晶多形スクリーニング法
5.結晶多形の例
 ・Indometacinの場合
 ・Cimetidineの場合 など
6.結晶の転移
7.結晶多形の制御
8.結晶多形の性質
9.まとめ

<6>スケールアップにおけるトラブル対策
1.はじめに
2.スケールアップのメリット
3.スケールアップの留意点
4.操作性のよいフローシートとは
5.スケールアップのトラブル対策
 ・新規脱炭酸反応の開発
 ・ガス生成による昇圧トラブル
6.Grignard反応
7.ヒューマンエラーに対するトラブル対策
 ・製造現場でのヒューマンエラー
8.スケールアップと重要工程
9.プロセス化学と化学工学
 ・ラボスケールから実生産へ
 ・攪拌停止による温度上昇 など
10.発熱反応の例
 ・酸化反応
 ・還元反応 など
11.暴走反応危険性評価の概要と取り進め方
 ・概要
 ・危険性評価のステップ など

<7>治験薬GMPと新薬開発状況
1.治験薬GMPとは
 ・治験薬GMPの3原則:なぜ治験薬GMPが必要なのか
 ・Phase 1の位置づけ など
2.ICHQ7原薬GMPガイドラインにおける治験薬
3.治験薬GMPに関するポイント
4.PIC/S GMPガイドラインAnnex13とは
 ・Annex13について
 ・Annex13のポイント
5.治験薬製造におけるガイドライン
 ・日本
 ・アメリカ など
6.治験薬GMPにおける製造管理及び品質管理の留意点
 ・目的と考え方:治験薬の製造管理及び品質管理について
 ・治験薬の一貫性と同等性について など
7.治験薬委受託製造の留意点
 ・治験薬GMPにおける委受託製造
 ・治験薬委受託製造のポイント など
8.治験薬届出数の推移
9.新薬開発状況
10.新薬開発のスピードアップ
11.核酸医薬の現状と開発
12.COVID-19パンデミック下における医薬品開発への影響
13.医薬品の研究開発における人工知能(AI)・機械学習(ML)導入の動向
14.医療DXの推進と研究開発への影響

<8>原薬を変更する際の留意点と同等性評価のポイント
1.原薬変更の理由
2.原薬変更の要因
3.スケールの変更と同等性評価
 ・不純物の制御と管理
 ・品質の保証と同等性 など
4.製造スケールの変更時の問題点とは
5.まとめ

<9>生データ・実験ノートの取扱い
1.実験ノート作成のポイント:実験ノート記載の基本ルールと生データの定義・取扱い
 ・実験ノートとは:なぜ必要なのか
 ・実験ノートの意味するもの:どんな意味があるの?
2.実験ノート記載の基本ルール
 ・目的の理解:何のために実験ノートを書くの?
 ・記載方法とは:何を書けばいいのか など
3.生データの定義と取り扱い
 ・生データとは
 ・生データの取り扱い:どのように処理しておくのがベストか など
4.まとめ

<10>データインテグリティとは
1.データインテグリティとは
2.なぜデータインテグリティが注目を集めるようになったか
3.データインテグリティの概念
4.データライフサイクル
5.FDA Warning Letterにみる指摘事項
6.ALCOA+とは
 ・データインテグリティガバナンス
 ・データインテグリティのためのリスクベースアプローチ など
7.治験薬に関する文書・手順書作成のポイント
 ・GMPで求められる手順とは
 ・GMPに関する文書 など

<11>変更管理と逸脱管理
1.逸脱と変更管理におけるミスと対処法
 ・変更管理(Change Control) とは
 ・変更管理と対応策 など
2.逸脱とは
 ・逸脱とは
 ・逸脱によるミス
3.CAPAとは
 ・CAPAのシステムとライフサイクルにわたる適用
 ・CAPAの必要性と重要性

<12>教育訓練
1.教育訓練の必要性
2.教育訓練の目的
3.GMP調査員の要求事項
4.GMP調査員に求められる能力

<13>製薬企業の動向とジェネリック医薬品・バイオシミラーの動向
1.製薬企業の動向
 ・日本製薬企業と世界製薬企業の売上高
 ・製薬企業のM&A など
2.ジェネリック医薬品企業の課題
 ・ブロックバスター特許切れの波紋
 ・ジェネリック医薬品促進策の影
3.AG(Authorized Generic)
4.ジェネリック企業の今後
5.バイオシミラー(バイオ後続品)
 ・バイオ後継品を取り巻く環境
 ・抗体医薬品の例 など
6.ジェネリック医薬品の品質問題と対策
 ・品質問題の発端
 ・ジェネリック業界の変動;供給不足 など

<14>原薬輸入業務の流れ
1.薬機法(旧薬事法)
2.輸入届
 ・医薬品等輸入届書取扱要領(薬食監痲第0331004号)
3.医薬品等輸入届書の添付資料
 ・製造販売用医薬品等輸入届書を提出する場合
4.医薬品等輸入届書の提出方法
5.CMC:Chemistry, Manufacturing and Control ICH M4
 ・CTD作成のポイント
 ・ Module 3の取扱い
6.DMF: Drug Master File、ドラッグマスターファイル
 ・MFとは
 ・DMF制度の概要 など
7.化学物質に関する法規制
8.GMP適合性調査

<15>製薬企業と受託製造企業の動向
1.はじめに
2.製薬企業のM&A
3.医薬品開発の現状
4.新型コロナワクチンの開発
 ・新型コロナの流行
 ・コロナ治療薬開発 など
5.受託製造企業の課題と展望
 ・受託製造企業の課題
 ・受託製造企業の展望
6.CMOの動向
 ・CMOとは
 ・CMOへ委託のメリット など
7.技術移管のポイント
 ・技術移管
 ・技術移管項目 など
8.製薬企業の今後の展開と受託製造企業の動き
9.委託先(原薬の製造所) 管理の留意点
 ・査察、監査の対応
 ・サプライヤー監査における実際の事例 など
10.委託先を選定する時のポイント・基準
11.国内受託製造企業リスト

<16>GDPの動向と対応策
1.GDPとは:なぜGDPが要求されるようになったか
2.GDPの概要
3.GDPの業務
 ・GDP管理基準書の作成
 ・GDP基準の運用体制 など
4.輸送における配送リスクアセスメント
 ・配送業者選定のポイント
 ・輸送事故とは? など
5.流通業者とのギャップ
6.偽造薬問題
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