SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

バイオスティミュラントの開発動向と展望

商品No.
R02V1084
出版月
2024年10月
価格

印刷タイプ 80,300円 (税込)

ページ数
B5判 288ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・農薬、肥料、土壌改質材とは異なる、植物の非生物的ストレスを緩和する新しいカテゴリーの資材であるバイオスティミュラント(BS)!
 ・農作物の高温障害対策としても、近年関心が高まるBS!
 ・BSの現状と課題、分類と機能、最新の実証試験と効果検証について詳述!

■概要■
 バイオスティミュラントという言葉が植物生理学を専門とする研究者や該当する製品を取り扱う開発・販売メーカーのみならず、農業従事者や農資材の流通業者からも頻繁に聞かれるようになりました。作物の生理に作用して農産物の収量や品質向上に寄与する資材は古くから農業現場では活用されており、作物生産に貢献してきました。しかしながら、その作用機作や有効成分は必ずしも周知されていない事例もあり体系化されていません。近年、各方面の研究者や開発販売メーカーにより、バイオスティミュラント製品の作用機作を解明し、また分類化して現場へ周知する例も数多く見受けられます。
 また、令和3 年に農林水産省から提唱されたみどりの食料システム戦略の中で、バイオスティミュラントを活用した新技術の導入が提唱されたことをきっかけにして、バイオスティミュラント製品とはどのような資材なのか、どんな機能を有する資材なのか、その定義を含めて各方面で協議されています。(中略)
 本企画により、多岐にわたるバイオスティミュラント製品の特性や正しい使い方、業界を取り巻く環境の変化について理解し、バイオスティミュラントに対する関係各位の研究や指導・販売の一助になることを期待します。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 総論】
<1>バイオスティミュラントの現状と課題
1.はじめに
2.世界の農業政策
3.気候変動
4.バイオスティミュラントとは
5.バイオスティミュラントの定義
6.農業資材におけるバイオスティミュラントの位置づけ
7.バイオスティミュラントの機能
8.バイオスティミュラントの分類と効果
9.バイオスティミュラントの普及の課題
10.おわりに

<2>国内外におけるバイオスティミュラントの状況について
1.はじめに-世界のバイオスティミュラントの市場規模について-
2.世界のBS動向
3.BSの定義
4.海外における規制、製品登録の動向
5.BSの本質的な意義
6.おわりに-BSによる品質向上と増収効果-

<3>BSの定義・現場での資材活用の現状
1.インフォメーション
2.バイオスティミュラント6群の解説
3.バイオスティミュラントの活用法の実際
4.日本でのバイオスティミュラント普及の課題
5.総括

<4>「みどりの食料システム戦略」におけるバイオスティミュラントの位置づけ
1.みどりの食料システム戦略策定の背景とその狙い
2.戦略の実現に向けた施策の具体化
3.みどりの食料システム法に基づく認定
4.環境負荷低減のクロスコンプライアンス(みどりチェック)
5.みどりの食料システム戦略におけるバイオスティミュラントの位置づけ
6.おわりに

【第Ⅱ編 バイオスティミュラントの種類と機能】
〈腐植物質・有機酸〉
<5>亜炭を原料とする腐植物質バイオスティミュラントの開発
1.腐植物質とは?
2.作物生育に対する腐植物質の効果
3.腐植酸苦土肥料『アヅミン』の製造・販売
4.『アヅミン』『アヅ・リキッド』『レコルト』の施用効果
5.環境(非生物的)ストレスへの抵抗性に関する当社資材試験事例
6.新たな腐植酸液状複合肥料の開発
7.当社腐植酸肥料の特徴
8.今後の開発に向けて

<6>腐植酸バイオスティミュラントBlackjak(R)の水稲育苗箱施用における性能評価
1.はじめに
2.シプカムについて
3.日本とヨーロッパ:農業環境と生産者ニーズの違い
4.シプカムジャパンのバイオスティミュラント
5.Blackjak(R)の水稲育苗箱施用試験
6.考察
7.おわりに

<7>森林資源を利用して生産された高分子化合物であるフルボ酸による国内外での環境改善
1.生態系におけるフルボ酸(腐植)
2.腐植物質の現状
3.フルボ酸の働き
4.高純度フルボ酸を利用した海外での環境改善

<8>酢酸バイオスティミュラント資材の作用原理と効果的な使用方法
1.地球沸騰化による異常高温-乾燥と農業の現状
2.植物を乾燥-高温ストレスから守る酢酸植物活性剤の基本作用とメカニズム
3.酢酸植物活性剤「Skeepon(スキーポン)」使用の実際
4.ブロッコリーでの事例
5.ミニトマトでの事例
6.まとめ
7.おわりに

<9>腐植物質の化学構造と植物生育に関わる機能
1.はじめに
2.腐植物質の化学構造と給源
3.腐植物質の植物生理活性作用
4.その他の機能
5.おわりに

〈微生物〉
<10>バイオスティミュラントとしてのトリコデルマ菌の利用
1.はじめに
2.バイオスティミュラントとしてのトリコデルマ菌の利用
3.農業におけるトリコデルマ菌の可能性

<11>バイオスティミュラント資材「まめリッチ」の開発
1.背景
2.ダイズ黒根腐病菌に対する増殖抑制効果を示す菌株の単離
3.資材化のための検討
4.資材施用によるダイズ黒根腐病軽減効果の検証
5.資材施用による土壌微生物叢の改善効果
6.今後の展望

<12>葉圏C1細菌-植物間相互作用とバイオスティミュラント機能の開発
1.はじめに
2.微生物棲息環境としての葉圏とそこで優占化するC1細菌
3.C1細菌の葉圏での生存に必要な生理機能
4.葉面散布バイオスティミュラントとしてのC1細菌
5.C1細菌葉面散布による米収量の増大:商業圃場での増収効果の実証
6.おわりに

<13>園芸植物における菌根菌共生機能利用および環境ストレス耐性
1.植物体成長促進効果
2.内生成分変動
3.環境ストレス耐性誘導
4.おわりに

<14>マルチオミクスを用いたバイオスティミュラントの研究開発
1.はじめに
2.土づくりとバイオスティミュラント
3.マルチオミクス解析
4.フィールドデータ駆動型の研究開発
5.フィールドマルチオミクスの課題
6.まとめと展望

〈海藻・海藻抽出物、多糖類〉
<15>海藻資材の利用とその効果
1.はじめに
2.海藻資材の調達
3.海藻の種類
4.天然資源としての海藻
5.バイオスティミュラントの分類と規制
6.海藻エキスの抽出法
7.海藻に含まれる活性成分
8.海藻抽出物の効果
9.海藻抽出物を利用したバイオスティミュラント製品の紹介
10.海藻抽出物の適用実施例(マリンインパクト(R)の評価結果)
11.おわりに

<16>低分子量キチン(LMC)の土壌と植物へのバイオスティミュラント効果
1.はじめに
2.LMCとは〜キチンとキトサンの違い〜
3.LMCの土壌への効果〜土壌微生物叢の多様化効果〜
4.LMCの植物への効果〜作用メカニズム〜
5.LMCの植物への効果〜健全生長および耐暑性効果〜
6.今後の展望

<17>トレハロースのバイオスティミュラントとしての果菜類への効果
1.はじめに
2.低温期のピーマン養液栽培におけるトレハロースの効果
3.高温期のナス施設土耕栽培におけるトレハロースの効果
4.イチゴ高設栽培での効果
5.さいごに

<18>トレハロースによる環境ストレス緩和と持続可能な農業への応用
1.はじめに
2.トレハロースとは
3.トレハロースの量産化と用途拡大
4.バイオスティミュラントとしてのトレハロース
5.微生物資材への応用
6.今後の展開

〈アミノ酸・ペプチド〉
<19>植物に対するアミノ酸の効果と実例
1.はじめに
2.植物におけるアミノ酸の機能に関する研究・開発事例
3.アミノ酸を用いたバイオスティミュラントの味の素(株)での実際の活用状況
4.おわりに

<20>プロリン含有植物活力剤のバイオスティミュラントとしての特性および有効性
1.はじめに
2.プロリンの植物生育への作用
3.プロリン含有製品の開発
4.効果事例
5.遺伝子レベルでのプロリンの作用
6.おわりに

<21>植物に病害抵抗性を誘導する環状ペプチド
1.植物病害を抑制するための方法論
2.植物病害の抑制に資する抵抗性誘導技術
3.抵抗性誘導剤の探索手法
4.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの設計・合成・探索
5.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの防除効果
6.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの作用
7.環状ペプチドの大腸菌での生産
8.おわりに

<22>有機物によるバイオスティミュラント効果
1.大豆カス(大豆タンパク質)分解産物の根毛増殖効果
2.根毛増殖ペプチドの同定
3.ブルーギルの微生物分解およびそのバイオスティミュラント効果
4.有機土壌による根こぶ病発症抑制
5.物質循環型社会に向けて

〈その他(動植物由来機能性成分、微生物代謝産物、微生物活性化資材など)〉
<23>植物のコミュニケーション力を活かした揮発性バイオスティミュラントの開発と実用化
1.はじめに
2.すずみどりに使われている2-ヘキセナールとは
3.みどりの香りを植物の言葉として捉える
4.2-ヘキセナールをバイオスティミュラントへ
5.すずみどりの作用原理
6.実施例
7.おわりに

<24>微生物揮発性物質を介した植物の成長促進に関する研究
1.はじめに
2.微生物由来の揮発性化合物は植物の成長を促進する
3.微生物由来の揮発性化合物の資材化
4.きのこ菌床由来の揮発性化合物は植物の成長を促進する。
5.きのこ菌床由来の揮発性化合物は植物に非生物ストレス耐性を付与する
6.植物側にどのような応答が起きているのか
7.今後の展望

<25>乳酸菌由来バイオスティミュラントの開発〜ぼかし肥料の作用メカニズム〜
1.はじめに
2.ぼかし肥料中乳酸菌の植物に対する働き
3.植物とフェニル乳酸
4.乳酸菌培養液のその他の機能
5.乳酸菌培養液の農業利用
6.おわりに

<26>鉄栄養の吸収を高める鉄資材-環境ストレスによる潜在的鉄欠乏の発生と改善-
1.鉄はバイオスティミュラントとみなされるか?
2.植物の2つの鉄吸収機構
3.2価鉄の供給効果を高める「鉄力(R)(てつりき)」
4.ムギネ酸型の鉄キレート供給材「PDMA」
5.まとめ

【第Ⅲ編 バイオスティミュラントの評価技術】
<27>JAによるバイオスティミュラント資材の実証試験
1.はじめに
2.農業をめぐる経営環境の変化
3.セロリ作における高温乾燥対策としてのバイオスティミュラント資材実証試験
4.水稲作におけるジャンボタニシ食害対策としてのバイオスティミュラント資材実証試験
5.JAによるバイオスティミュラント資材の実証試験の特徴と普及に向けた課題
6.まとめ

<28>発光レポーターを利用したバイオスティミュラントの探索・評価系
1.はじめに
2.ルシフェラーゼ遺伝子を用いた発光レポーターの特徴
3.植物のストレス応答の連続モニタリング系
4.探索系への応用
5.HTSを利用して化合物ライブラリーから候補物質を選抜する方法
6.今後の展望

<29>バイオスティミュラント資材を供試した栽培試験の設計と効果検証
1.試験計画
2.作物の選定
3.ストレスの強度
4.BS資材を処理する生育ステージおよびタイミング
5.BS資材の効果検証方法について
6.さいごに

■監修■
日本バイオスティミュラント協議会
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