SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

ペプチドの生体調節機能と応用

商品No.
R02V1074
出版月
2024年 7月
価格

印刷タイプ 64,900円 (税込)

ページ数
B5判 253ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・多様な生体調節機能を有する食品成分として注目を集めるペプチド!
 ・化粧品、機能性食品、抗菌・抗ウイルス剤、医薬品、農薬などで応用が進み、市場の拡大は必至!
 ・ペプチドの探索・体内動態分析、生体調節機能、応用事例についてまとめた一冊!

■概要■
 今日では食品の第3の機能である生体調節性(結健康機能性)についても着目され、活発に研究が行われていることは周知の通りである。他方、生理機能を有することが期待される食品成分が生体レベルにおいても機能体であるかどうかは、その生体利用性を明らかにした上で議論すべき項目といえる。
 ペプチドは構成アミノ酸の組み合わせによってその種類は無限であり、組み合わせによって多様な生理作用が期待される稀有な食品成分であるといえる。またペプチドは生体内に普遍的に存在し、さまざまな生体調節機能を有することが明らかとなっており、すでに化粧品、機能性食品、抗菌・抗ウイルス剤、医薬品、農薬など幅広い分野において応用が進展している。本書を契機として、ペプチド科学の魅力と奥深さ、今から研究開始しても決して遅くない世界であることをご理解いただければ幸いである。
-CONTENTS-
【第Ⅰ編 ペプチド探索・体内動態】
<1>ペプチドアレイおよびインシリコスクリーニングによる生理活性ペプチドの探索
1.はじめに
2.ペプチドアレイ
 ・ペプチド合成
 ・ペプチドアレイに合成する配列
 ・活性評価
3.機械学習を活用した可食性タンパク質由来胆汁酸ミセル崩壊ペプチドの探索
 ・焼成多孔性シリカゲルを用いたペプチド経口摂取におけるペプシン分解抵抗性の付与
 ・機械学習によるミセル崩壊ペプチドのルール決定
 ・可食性タンパク質データベースと腸送達生理活性ペプチド
4.おわりに

<2>「ペプチドアレイ」を基盤とする低抗原性生理活性ペプチドの製造
1.はじめに
2.ペプチドアレイについて
3.食品タンパク質由来の機能性ペプチドについて
4.Pep-MS Assay法の開発について
5.食物アレルギーについて
6.Pep-iEIA法の開発について
7.おわりに

<3>生理活性ペプチドの吸収と代謝評価
1.はじめに
2.食品由来ペプチドの生理活性
3.吸収・代謝評価のための生理活性ペプチドの分析法
4.生理活性ペプチドの体内吸収性について
 ・ペプチドの体内吸収性評価の重要性
 ・体内吸収性ペプチドの特徴
 ・腸管でのペプチド吸収動態の可視化
 ・脳機能改善ペプチドTyr-Proの発見
5.タンパク質の生体利用性
6.将来展望

<4>コラーゲンペプチドの吸収と代謝機構
1.はじめに
2.コラーゲンペプチド摂取後の効果と血液中への低分子分解物の移行
3.摂取後のヒト血液中食事由来Hypペプチドの濃度変化
4.摂取後の各Hyp食事由来ペプチドの血中濃度変化
5.分子量別吸収(ゼラチン、高分子、低分子)
6.併食によるコラーゲンペプチド吸収
7.環状ペプチド吸収
8.おわりに

【第Ⅱ編 生体調節機能】
<1>コレステロール代謝改善ペプチド
1.はじめに
2.乳ペプチド及びIIAEKのCHOL代謝改善作用
3.大豆ペプチド及びVAWWMYのCHOL代謝改善作用
4.食肉ペプチド及びFPのCHOL代謝改善作用
5.魚肉ペプチド、プロタミン及びRPRのCHOL代謝改善作用及び抗肥満作用
6.おわりに

<2>脂質代謝改善ペプチド
1.はじめに
2.大豆タンパク質による脂質代謝改善作用
3.b-コングリシニンの構造
4.b-コングリシニン加水分解物の生理作用
5.b-コングリシニン摂取後にラットの血中に見出されるペプチドとその作用
6.おわりに

<3>中性脂肪上昇抑制ペプチド(グロビン蛋白分解物)
1.はじめに
2.グロビン蛋白分解物の特性
3.臨床データ等のエビデンス
4.作用機序
5.市場動向
6.今後の展望や課題

<4>アディポネクチン様ペプチド
1.はじめに
2.糖尿病治療薬と食品成分による抗糖尿病作用
3.アディポネクチンシグナル伝達経路の活性化による糖尿病改善
4.アディポネクチン様ペプチドの設計と作用
5.今後

<5>血圧上昇抑制ペプチド
1.はじめに
2.ACE阻害ペプチド
3.ACE阻害とは異なる作用機構の血圧上昇抑制ペプチド
4.ジペプチドライブラリーを活用した加齢による血管老化の実態解明
5.加齢動物において強力な降圧作用を示すペプチド
6.最後に

<6>血糖値上昇抑制ペプチド(食用きのこ発酵豆乳由来DPP-4阻害ペプチド)
1.はじめに
2.きのこ発酵豆乳のDPP-4阻害活性
3.きのこ発酵豆乳が血糖値やインスリン分泌におよぼす影響

<7>血糖値上昇抑制ペプチド(穀物タンパク質消化ペプチド)
1.はじめに
2.糖尿病とは
3.穀物タンパク質および消化ペプチドの血糖値上昇抑制作用
 ・糖質分解酵素の阻害
 ・難消化性高分子によるグルコースの吸着・排出
 ・グルコーストランスポーターの発現抑制
 ・インスリン分泌の促進
4.おわりに

<8>筋萎縮抑制Cblinペプチド
1.はじめに
2.Cblinペプチドとは
3.CblinペプチドとユビキチンリガーゼCbl-bとの結合
4.大豆蛋白質グリシニン内のCblin-likeペプチド
5.Cblinペプチドの体内動態
 ・Caco-2細胞単層を通したCblinペプチドの輸送
 ・Cblinペプチドのラット血液循環への吸収
 ・Cblinペプチドを強化した米(CbR)の特徴付け
6.おわりに

<9>骨と関節に対する機能性ペプチドの効果とその作用メカニズム
1.はじめに
2.骨に作用する機能性ペプチド
 ・MBPによる骨への作用
 ・カゼインホスホペプチドによる骨への作用
 ・コラーゲンペプチドによる骨への作用
3.関節に作用する機能性ペプチド
 ・卵殻膜ペプチドによる関節への作用
 ・コラーゲンペプチドによる関節への作用
4.おわりに

<10>血管保護ペプチド
1.機能性素材の必要性
2.食品タンパク質由来ペプチド
3.細胞外マトリックスについて
4.血管をターゲットにしたエラスチンペプチドの研究
5.エラスチンペプチドのさらなる可能性

<11>コラーゲンペプチドの皮膚由来間葉系幹細胞に対する機能
1.はじめに
2.コラーゲンとは
3.炎症組織の部位特異的なコラーゲン由来ジペプチドの生成
4.生体に移行する食品由来のコラーゲンペプチド
5.牛胎児血清(FBS)中のコラーゲン由来ペプチドと線維芽細胞増殖機能
6.創傷治癒過程における間葉系幹細胞とコラーゲンペプチドの役割
7.創傷治癒に関連するコラーゲン酵素分解物補給の健康作用と今後の臨床試験への期待
8.おわりに

<12>抗菌ペプチド(乳酸菌由来バクテリオシン)
1.はじめに
2.乳酸菌由来バクテリオシンの諸性質
 ・乳酸菌由来バクテリオシンの特徴
 ・乳酸菌由来バクテリオシンの多様性と分類
 ・乳酸菌由来バクテリオシンの生合成機構と作用機構
3.乳酸菌由来バクテリオシンの利用
 ・食品保存料
 ・手指用殺菌洗浄剤
 ・口腔用天然抗菌剤「ネオナイシン」
4.乳酸菌由来バクテリオシンの探索
 ・迅速スクリーニング系の構築と新奇バクテリオシンの例
 ・ゲノム情報からの探索とバクテリオシンの改変
5.おわりに

<13>ビフィズス菌増殖促進ペプチド
1.はじめに
2.C-3102株の腸内細菌叢改善作用について
3.C-3102株培養上清中からのビフィズス菌増殖ペプチドの単離、同定
4.単離されたビフィズス菌増殖促進ペプチドの特徴
5.おわりに

<14>消化管ホルモン調節ペプチド
1.はじめに
2.GLP-1分泌促進ペプチド
3.GLP-1分解抑制ペプチド
4.グレリン分泌調節ペプチド
5.おわりに

<15>脳神経調節ペプチド
1.はじめに
2.オピオイドペプチド
3.ペプチド体内動態と中枢作用-コラーゲンペプチドの例-
4.構造-活性相関に基づく新規ペプチド探索-牛乳ペプチドの例-
5.強力な生理活性を示す中分子ペプチドの腸脳連関-大豆ペプチドの例-
6.その他の食品由来の脳神経調節ペプチド
 ・乳清ペプチド
 ・小麦ペプチド
 ・卵白ペプチド
 ・緑葉ペプチド
 ・米ペプチド
7.今後の展望

<16>認知症予防ペプチド
1.はじめに
2.認知症のモデルマウス
3.甘酒ペプチド画分のBDNF発現増強効果
4.甘酒ペプチド画分の認知症予防効果
5.酸化ストレスに対する神経保護効果と活性成分の同定
6.おわりに

<17>記憶力改善ペプチド
1.記憶の仕組み
2.脳ストレスと記憶力
3.ブレインフードとしての大豆ペプチド
4.脳ストレスに対する大豆ペプチドの摂取効果
5.老化と記憶力
6.高齢者に対する大豆ペプチド摂取効果
7.記憶力改善ペプチド
8.まとめ

<18>認知機能を改善する乳由来ペプチド「bラクトリン」
1.はじめに(超高齢社会に伴う社会課題)
2.認知症発症リスクと食習慣
3.白カビチーズと認知症予防効果
4.認知機能を改善する乳由来ペプチド成分「bラクトリン」
5.bラクトリンの認知機能改善効果(臨床試験)
6.bラクトリンによる前頭前野の脳血流増加(臨床試験)
7.bラクトリンによる脳神経活動の活性化(臨床試験)
8.bラクトリンによる気分状態、精神的活力の改善(臨床試験)
9.おわりに(科学的エビデンスに基づく予防・健康づくりの社会実装)

<19>抗疲労ペプチド(カルノシン、アンセリン)
1.はじめに
2.イミダゾールジペプチドの生合成機構と体内分布
3.イミダゾールジペプチドの生物学的機能
4.イミダゾールジペプチドの抗酸化作用
5.イミダゾールジペプチドの神経細胞保護(認知症予防)作用
6.おわりに

<20>免疫に影響するペプチド
1.免疫について
2.抗体産生・NK活性に影響するペプチド
3.抗炎症作用を有するペプチド
4.抗アレルギー作用を示すペプチド

<21>Argireline(R) peptideおよび関連ペプチドファミリーの生体調節機能と用途
1.表情ジワの形成
2.Argireline(R) peptide(アルジレリン(R) ペプチド)の発見
 ・Argireline(R) peptideの作用機序
 ・Argireline(R) peptideのシワ外観に対するin vivo評価結果
3.新規グリーンケミストリーペプチド「Argireline(R) Amplified peptide」の開発
 ・Argireline(R) Amplified peptideによる生体調節機能の増幅
 ・Argireline(R) Amplified peptideの表情筋弛緩改善効果
 ・Argireline(R) Amplified peptideによるマルチレベルの組織機能性改善
4.Argireline(R) YOUth peptideによる油系処方の課題克服
5.結論

<22>メラニン色素合成阻害ペプチドとその化粧品への応用
1.はじめに
2.メラニン合成阻害ペプチド
 ・チロシナーゼ阻害型ペプチド
 ・メラニン合成関連遺伝子の発現抑制型ペプチド
3.化粧品素材としてのメラニン合成阻害ペプチド
4.現状の課題と今後の展開

<23>苦味抑制ペプチド
1.はじめに
2.ヒトにおける苦味感知メカニズム
3.食品における苦味抑制技術
4.ペプチドの味
5.食品由来の苦味抑制ペプチドの探索事例
6.化学合成ペプチドを用いた苦味抑制ペプチドの探索事例
7.まとめ

<24>植物に病害抵抗性を誘導する環状ペプチド
1.植物病害を抑制するための方法論
2.植物病害の抑制に資する抵抗性誘導技術
3.抵抗性誘導剤の探索手法
4.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの設計・合成・探索
5.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの防除効果
6.抵抗性誘導効果を持つ環状ペプチドの作用
7.環状ペプチドの大腸菌での生産
8.おわりに

■監修■
松井 利郎
九州大学
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