SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

セルロースナノファイバーの研究と開発:現状と将来展望

商品No.
R02V1068
出版月
2024年 6月
価格

印刷タイプ 63,800円 (税込)

ページ数
B5判 244ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
備 考
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レポート内容
■ポイント■
 ・軽量高強度を実現する生物由来材料「セルロースナノファイバー」の最新研究!
 ・調整、分析、強化・複合材料の開発、さらに応用展開、製品適用をまとめた1冊!
 ・複合材だけじゃない!化粧品等の新規用途開発も収載!

■概要■
 セルロースナノファイバーの研究開発が、世界に注目され始めたのは、今から20年ほど前のことである。それら研究開発の歴史を振り返ってみると、黎明期・停滞期・成長期を経て、現在へと繋がっており、そして現在、さらなる飛躍に向けた研究開発が、産学官で幅広く行われている。垣根を越えて、セルロースナノファイバーに関する情報交換を行ってきたことにある。本書では、セルロースナノファイバー材料のさらなる飛躍に向けて、その一助を担うため、23つの新しい技術を紹介する。それぞれの技術の背景・目的に応じ、以下のように6編に分類した。読者の方々が、各自のバックグラウンド・目標に応じて、読み進めて頂ければと考える。
-CONTENTS-
【第1編 植物・木材資源の新たな活用方法の提案】
<1>植物材料の自動車への適用例と今後の展開
1.はじめに
2.TABWD(R)(タブウッド)の開発
3.TABWD(R)の開発に際して行った様々な植物繊維を用いた検討
 ・実験
4.結果
 ・繊維の種類による機械的性質への影響
 ・植物繊維複合材料の破断面の調査
 ・自動車部品の調査
5.これまでの採用事例
 ・コンセプトカー
6.その他の開発
 ・パルプを用いた吸音材
 ・パルプから作るセルロースナノファイバー強化ポリマー
7.最後に

<2>セルロースファイバー成形材料「kinari」〜循環型社会を目指した開発・事業展開〜
1.はじめに
2.セルロースファイバー成形材料の製造プロセスの開発
 ・全乾式プロセスの概要
 ・セルロースファイバー樹脂の機械的特性について
3.セルロースファイバー成形材料の商品展開
 ・スティック掃除機への展開
 ・リユースカップへの展開
 ・材料販売の開始
 ・循環型事業
 ・高バイオマス度の材料開発
4.まとめ

<3>木材の階層構造を活かした新規セルロース素材の創出
1.はじめに
2.化学処理による調製方法
3.化学構成成分評価
4.階層構造評価
5.配向シートの調製
6.引張試験
7.セルロースの重合度と力学的特性の関係
8.おわりに

【第2編 セルロースナノファイバー複合材料の最前線】
<4>CNF添加による3Dプリンターフィラメントの開発
1.はじめに
2.3Dプリンターについて
 ・3Dプリンターの現状
 ・3Dプリンターの材料について
 ・3Dプリンターの主な使用用途
3.配合実験の開始
4.青木憲治先生(静岡大学)との取組
5.おわりに

<5>セルロースナノファイバー強化ナイロン6樹脂の開発
1.はじめに
2.CNFと樹脂の複合化における課題
3.重合法によるCNFとナイロン6の複合化
 ・背景
 ・重合法によるCNFとPA6の複合化
4.CNF強化PA6樹脂の特長
 ・機械的特性
 ・吸水性
 ・成形加工性
5.耐熱性
 ・荷重たわみ温度
 ・線膨張係数
 ・成形収縮率
6.機能性
 ・摺動性
 ・異種接合
7.環境対応
 ・マテリアルリサイクル性
 ・環境負荷低減
8.総括

<6>CNF配合樹脂「STARCEL(R)NCシリーズ」の特徴と応用事例
1.はじめに
2.STARCEL(R)の製法と特徴
3.各種の疎水化セルロース配合樹脂
4.セルロース繊維の解繊度の成形体への影響
5.様々な樹脂の補強
6.終わりに

<7>セルロースナノファイバーによる高分子材料の強化
1.はじめに
2.ポリカーボネートとCNFの複合化
3.ポリプロピレン、パルプ繊維、CNFの複合材料
4.天然ゴムとCNFの複合材
5.おわりに

【第3編 市場を席巻する革新的セルロースナノファイバー材料の最前線】
<8>セルロースナノファイバーの開発・採用状況
1.日本製紙グループについて
 ・沿革
 ・日本製紙グループの事業概況
 ・製品
2.セルロースナノファイバー(CNF)
 ・CNFとは
 ・日本製紙のCNFについて
 ・日本製紙CNFの製造方法①(CM化CNF、TEMPO酸化CNF)
 ・CM化CNFの利用分野・状況
 ・TEMPO酸化CNFの利用分野・状況
 ・CNFが持つ各種特性について
3.CNF強化樹脂
 ・日本製紙のCNF製造方法②(CNF強化樹脂(セレンピア(R)プラス))
 ・特徴
 ・CNF強化樹脂の利用分野
 ・使用実績
4.おわりに

<9>化粧品処方におけるセルロースナノファイバーによるピッカリングエマルションの形成挙動
1.はじめに
2.水系添加剤としてのCNFの開発
3.CNFの乳化機能
 ・CNFによるエマルション形成のメカニズム
 ・CNFによるエマルションの安定化
 ・エマルションの形態観察
 ・乳化可能な油の構造からの推測
 ・乳化への添加剤の種類と量の影響
 ・乳化における添加剤の配合順の影響
4.さいごに

<10>セルロースナノファイバーで補強した消石灰のフッ素吸着剤への応用
1.はじめに
2.CNFの水処理分野への応用
3.消石灰/CNF複合成形体の製造
 ・消石灰とCNFの混合方法
 ・消石灰/CNF混合物の成形方法
 ・押出成形後の乾燥方法
4.複合成形体の評価
 ・強度
 ・フッ酸との反応性
5.大量生産へのプロセス
6.おわりに

<11>セルロースナノファイバー連続脱水濃縮・シート化法の開発
1.はじめに
2.機械的解繊CNFの形態およびCNFフロックのサイズ
3.CNFスラリーの固形分濃度と多層ワイヤーの効果
4.孤立分散型CNFの脱水に向けた検討
5.CNFの多段階脱水および動的脱水試験
6.CNF連続脱水濃縮およびシート化に関する実証試験機の開発
7.おわりに

【第4編 次世代を担うセルロースナノファイバー材料】
<12>化学染料・天然染料により染色されたCNFとその耐光性
1.はじめに
2.化学染料によるCNFの染色
 ・CNFの染色と後処理について
 ・直接染料によるCNFの染色
 ・反応染料によるCNFの染色
3.天然染料によるCNFの染色
 ・天然染料による染色
 ・CNFの藍染め
 ・CNFのカチオン化と天然染料による染色
4.着色CNFの耐光性評価

<13>導電化CNFとpNIPAMを併用した高速感温調光ガラスの開発
1.はじめに
2.遮熱・遮光材料
 ・無機材料系遮熱材料
 ・温度応答性材料を用いた遮光材料
3.合わせガラス中間層の設計
 ・温度応答性材料およびそのLCSTの制御
 ・CNFの選択と温度応答性高分子への配合
 ・CNFの遮熱・調光ガラス中間層への配合効果
 ・導電性高分子の配合
4.導電性高分子、PEDOT/硫酸化セルロースナノファイバー(s-CNF)
 ・PEDOT/硫酸化セルロースナノファイバー(s-CNF)の特性
 ・PEDOT/s-CNF配合の配合効果
 ・PEDOT/s-CNFを配合した温度応答性遮光・調光ガラス
 ・白色化速度の加速化
5.フィルム化
 ・遮熱・調光フィルムの作成
 ・遮熱・調光フィルムの特性
6.おわりに

<14>凍結を利用したカルボキシメチルセルロースナノファイバーの微細構造制御による新しいハイドロゲル物性の発現
1.はじめに
2.凍結架橋カルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMCF)ゲルの開発
3.凍結架橋のメカニズム
4.おわりに

<15>高強度・自己消火性のセルロースナノファイバー透明板材
1.はじめに
2.積層
3.力学特性
4.自己消火性
5.膨潤の抑制
6.おわりに

【第5編 セルロースナノファイバー 新たな調整方法の提案】
<16>CNF調製のための木材セルロースの化学前処理:リン酸エステル化とTEMPO 触媒酸化
1.はじめに
2.セルロース繊維(針葉樹BKP)のリン酸エステル化処理
3.セルロース繊維(針葉樹および広葉樹BKP)のTEMPO 触媒酸化
4.おわりに

<17>セロファン製造技術を応用したセルロースナノファイバー(RCNF(R))の開発
1.はじめに
2.セロファン
3.セロファン製造技術を応用した新しいCNF「RCNF」の特長
 ・繊維幅
 ・粘度特性
 ・熱安定性
 ・乳化安定性
4.RCNFの調製条件を変更した場合の影響
 ・水酸化ナトリウム濃度を変更した場合の結晶化度、硫化度への影響
 ・水酸化ナトリウム濃度を変更した場合のRCNF物性への影響
 ・調製条件の異なるRCNFによる乳化安定性への影響
5.おわりに

<18>容易に解繊できるアロンフィブロ(R)の特徴と用途開発
1.緒言
2.アロンフィブロの特性
3.アロンフィブロの応用例
 ・セラミックスバインダーへの応用
 ・カーボンナノチューブ分散剤への応用
 ・天然ゴム(NR)の補強
 ・光硬化性モノマーとの複合化
 ・増粘剤への応用

<19>北海道内のバイオマス資源から作るナノファイバーとその特性評価
1.はじめに
2.湿式および乾式解繊処理に用いたナノファイバーの原料について
3.グラインダー法による湿式解繊処理を行ったナノファイバーの粘度特性について
4.パルプ直接混練法による乾式解繊処理から作製したナノファイバー強化樹脂の機械的特性評価
5.表面修飾した微生物産生CNF(NFBC)強化樹脂の機械的特性評価
6.おわりに

【第6編 セルロースナノファイバーの深淵に迫る研究成果】
<20>グリーンな高分子構造制御機構としてみたセルロース合成酵素
1.はじめに
2.セルロースの構造と生合成
3.セルロース合成酵素
4.セルロース合成酵素の構造生物学
5.高分子鎖の制御というタンパク質機能
6.SAXSによる高分子鎖集合過程の直接観察
7.高分子鎖集合過程に関与するタンパク質の生化学的解析
8.おわりに

<21>CNF1本の乾燥と構造変化
1.はじめに
2.CNF1本の乾燥と構造
3.おわりに

<22>セルロースナノファイバーに生じる欠陥
1.はじめに
2.これまでの欠陥研究の概要
3.「捻れ」における結晶構造の解析
4.原子間力顕微鏡像の統計的解析による「凹み」欠陥の発見
5.AFM画像を解析するための半自動的画像処理手法の確立
6.おわりに

<23>セルロースナノファイバー製フィラメントの高い熱伝導性
1.はじめに
2.従来のCNF材料の熱伝導性
3.CNFの分子スケールの構造制御
4.フローフォーカシング法ならびに機械・熱特性の評価方法
5.フローフォーカシング法で構築したCNFフィラメントの熱伝導および機械的特性
6.CNFフィラメントの高熱伝導化のメカニズム
7.熱伝導率の温度特性について
8.おわりに

■監修■
能木 雅也
大阪大学
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