SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

超音波による非破壊検査・材料評価技術の進展

商品No.
R02V1060
出版月
2024年 3月
価格

印刷タイプ 77,000円 (税込)

ページ数
B5判 356ページ
発行<調査・編集>(株)シーエムシー出版
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レポート内容
■ポイント■
 ・様々な材料や構造物の計測、評価、診断に幅広く利用されている超音波!
 ・構造材料の品質・損傷評価や損傷イメージング技術、レーザ超音波による非接触検査について一挙解説!
 ・超音波を用いた非破壊検査と材料評価技術の研究動向について理解が深まる1冊!

■概要■
 非破壊検査は材料の品質や構造物の安全性(信頼性)を確保するために実施される検査法の一つであり、それが非破壊的であることが最大のメリットである。現在、様々な非破壊検査手法が幅広い産業分野で活用され、各種の素材や製品の品質管理、輸送機械の保守点検、プラントの設備保全などにおいて欠くことのできない重要な役割を担っている。高度化された非破壊検査手法を駆使することで、運用中の設備の状態監視(保守検査)や予知保全、さらにはその余寿命診断にも活用されている。世界的にSDGsの重要性が叫ばれている昨今、非破壊検査は社会の安全確保のみならず廃棄物削減や自然環境保全にも貢献する技術として、今後、その重要性は一層高まると考えられる。
 ところで、近年の技術革新の進展は目覚ましく、様々な分野にDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)などの社会変革の潮流が広がっている。これは非破壊検査の分野においても例外ではなく、従来技術を変革し、新たな価値を生み出すことが重要な課題となっている。このような世界規模の社会的要請に応えることは、非破壊検査に携わる技術者や研究者にとって大きなチャレンジである。時代を先取りした先駆的な非破壊検査手法の開発とその社会実装によって、持続可能で安全安心な社会の実現を目指すことは、グローバル目標として極めて意義深いと考える。
 本書では、超音波による非破壊検査と材料評価技術の現状と進展について理解を深めるために、当該分野の第一線で研究・開発に従事されている先生方にそれぞれの最新トピックをご執筆いただいた。何れも先駆的で独自性の高いトピックであり、今後の非破壊検査や材料評価の方向性を探る上で有益な内容となっている。本書がこの分野に携わる企業、大学、研究機関等の技術者や研究者の皆様に少しでもお役に立てれば幸いである。
-CONTENTS-
【第1編:超音波探傷の進展】
<1>局所共振を利用したき裂検出を目指した数値モデリングの検討
1.はじめに
2.数値解析モデル
3.数値解析結果
4.計測実験による検証
5.おわりに

<2>超音波探傷におけるスパースモデリングを用いた隣接欠陥の検出
1.はじめに
2.スパースモデリング
3.デコンボリューション
4.シミュレーションを用いた分解能比較
5.おわりに

<3>検査位置を自動計測する超音波探傷システム
1.はじめに
2.SLAMを用いた検査位置自動計測UTシステム
3.探傷時間短縮への有効性検証
4.実機適用に向けた開発
5.おわりに

<4>3D-UTシステムによる水車の非破壊検査
1.はじめに
2.従来の超音波探傷技術(従来UT技術)の課題
3.3D-UT(三次元超音波探傷)システムとは
4.まとめ

<5>超音波透過法による金属内欠陥検出における縦波と横波の比較
1.はじめに
2.超音波透過法による欠陥検出原理
3.波動伝搬シミュレーション
4.むすび

<6>非線形超音波フェーズドアレイによる閉じたき裂の高精度計測
1.はじめに
2.非線形超音波法
3.非線形超音波フェーズドアレイ
4.計測法選択の注意点と今後の展望

<7>電磁超音波センサと導波体を用いた高温構造物の非破壊検査
1.背景
2.検査システムの基本概念
3.超音波センサ部
4.腐食部検査の基本的考え方
5.実験方法
6.導波体をパイプ周方向に巻き付けた場合の実験結果
7.結言

<8>高温場の非破壊検査のための耐高温圧電素子の開発
1.はじめに
2.BiT/TO圧電素子の高温特性
3.LN/TO圧電素子の高温特性
4.結論

<9>超音波の音場解析,受信波形分析と探触子設計への応用
1.はじめに
2.超音波探触子から送信される超音波:連続波とパルス波の違い
3.超音波探触子における送信時指向性と受信時指向性の違い
4.超音波受信時の特性を考慮した探触子形状設計
5.超音波送信特性を考慮した集束超音波探触子の設計と評価法
6.矩形波と正弦波印加時における超音波探触子の送受信特性
7.おわりに

【第2編:構造材料の品質・損傷評価】
<10>散乱強度分散による材料組織の均一性評価
1.はじめに
2.画像処理と統計解析を用いた材料組織写真における均一性の定量評価法
3.材料組織の均一性を考慮した解析モデル
4.受信波形再構成法
5.解析結果と定式化
6.不均一組織分布の可視化
7.おわりに

<11>音響共鳴現象を利用した材料評価と映像法
1.はじめに
2.薄層を通過する音波の理論モデル
3.音響共鳴を利用した材料評価について
4.音響共鳴を利用した映像法について
5.おわりに

<12>超音波による加熱材料の温度プロファイリング
1.はじめに
2.超音波サーモメトリ
3.鋼厚板の加熱・冷却モニタリング
4.レーザ超音波法による回転体の非接触温度プロファイリング
5.おわりに

<13>2次高調波Lamb波を用いた平板に開いた丸穴の縁部の健全性評価の検討
1.はじめに
2.原理
3.実験
4.おわりに

<14>紫外線C波による熱可塑性プラスチックの劣化形態と超音波による評価
1.はじめに
2.実験方法
3.熱可塑性プラスチックの紫外線劣化と形態
4.表面反応型の劣化形態を示す熱可塑性プラスチックの超音波による評価
5.劣化層形成型の劣化形態を示す熱可塑性プラスチックの超音波による評価
6.まとめ

<15>電磁超音波センサによるアルミニウム-GFRP積層板の界面はく離の検出
1.はじめに
2.電磁超音波センサおよび試料
3.実験結果
4.まとめ

<16>GFRP成形板の超音波検査
1.はじめに
2.模擬成形装置による低圧成形
3.超音波伝播速度に基づく樹脂硬化度評価
4.局所的樹脂未硬化領域を有するGFRP成形板の超音波測定
5.板厚方向に樹脂硬化度分布を有するGFRP成形板の超音波測定
6.FDTD法によるGFRP成形板の超音波伝播シミュレーション
7.おわりに

<17>発電機器の超音波検査
1.はじめに
2.火力発電設備及び原子力発電設備の検査に関する法令等
3.火力発電設備及び原子力発電設備に対する超音波検査技術
4.まとめ

<18>圧縮応力場のAEを指標としたコンクリート損傷度評価
1.はじめに
2.解析手法
3.実験方法
4.結果および考察
5.おわりに

<19>計測・CAE連携によるアコースティック・エミッション(AE) 計測の高精度化
1.はじめに
2.AE計測とは
3.高精度AE計測のための計測-CAE連携(AE-CAE法)フロー
4.AE-CAE法による異常検知解析
5.まとめ

<20>音波照射加振を用いた非破壊検査のための遠距離非接触音響探査法
1.はじめに
2.非接触音響探査法の基礎
3.高架橋床版における実証実験
4.吹付けコンクリート面における実証実験
5.UAVからの音波照射実験
6.まとめ

<21>空中超音波による難燃処理木材の防火性能の非破壊評価法
1.はじめに
2.防火性能の評価
3.木材における超音波の測定
4.難燃処理材木材の薬剤量分布の測定と防火性能の評価
5.今後の課題

【第3編:超音波による損傷イメージング・評価】
<22>水浸非線形超音波法による材料内異質部と損傷の可視化
1.はじめに
2.非線形超音波(高調波)法概要
3.高調波画像化法概要
4.材料内不均質部の可視化例
5.内部損傷の可視化例
6.まとめと今後の展望

<23>超音波フェーズドアレイ画像の機械学習による傷探傷
1.はじめに
2.探傷像と機械学習に用いる画像
3.探傷像の機械学習法
4.機械パラメータの調整法
5.画像が少ない場合の対象法
6.探傷像を特徴変換して学習に用いる方法
7.熟練者の判断を機械学習に取り込む方法
8.まとめ

<24>気流中における空中超音波フェーズドアレイの音波放射特性
1.はじめに
2.空中超音波フェーズドアレイを用いた非破壊検査
3.気流中における空中超音波フェーズドアレイの音波放射特性
4.まとめ

<25>構造体健全性診断のための超音波伝搬可視化法による定量的非破壊評価
1.はじめに
2.超音波伝搬可視化装置と手法
3.欠陥位置推定
4.複数センサによるスリットの映像化探傷
5.マイクロ波を併用した金属円管の検査
6.おわりに

<26>超音波による金属板のプレス成形欠陥の評価
1.はじめに
2.超音波によるプレス成形欠陥評価の原理
3.絞り加工中のしわ発生状態のインプロセス評価
4.超音波の斜角探傷を利用したしわの評価
5.超音波の周波数特性を利用した欠陥評価
6.おわりに

【第4編:レーザ超音波による非接触計測・評価】
<27>薄板溶接継手品質のレーザ超音波計測とそのロボットシステムの開発
1.はじめに
2.実験方法
3.実験結果
4.ロボットシステムの開発
5.おわりに

<28>レーザ超音波法による溶接インプロセス品質モニタリング
1.はじめに
2.レーザ超音波法(LUT)の適用
3.溶接インプロセス品質モニタリング
4.溶接インプロセス品質モニタリングの適用先拡大
5.おわりに

<29>深層学習を用いたレーザ超音波可視化試験結果における欠陥有無の自動判定
1.はじめに
2.LUVT
3.LUVT結果の深層学習
4.深層学習による欠陥有無の判定例
5.おわりに

<30>レーザー励起ラム波のスローネス評価によるCFRPの剥離検出
1.はじめに
2.ラム波のスローネス
3.レーザー超音波可視化技術
4.スローネス評価によるCFRPの剥離検出
5.おわりに

<31>レーザ超音波を用いた抵抗スポット溶接ナゲット径の非接触計測
1.はじめに
2.実験方法
3.実験結果と考察
4.結論

<32>レーザ弾性波源走査法による非接触損傷画像化技術
1.はじめに
2.レーザ弾性波源走査法による損傷画像化の原理
3.拡散場の利用・複雑形状への適用
4.変調レーザの利用
5.損傷画像化事例
6.おわりに

<33>レーザ生成空中超音波源のためのターゲット材料と構造
1.はじめに
2.実験原理と実験方法
3.実験結果と考察
4.まとめ

<34>レーザ超音波による非接触ボルト締結検査
1.はじめに
2.レーザ超音波による軸力計測手法の原理
3.数値シミュレーションによる現象把握
4.実験による検証
5.おわりに

<35>超音波とレーザを用いた透明媒質中の非接触温度計測
1.はじめに
2.レーザドップラ振動計を用いた透明媒質中を伝搬する超音波の計測
3.透明媒質中の非接触温度測定
4.まとめ

■監修■
井原 郁夫
長岡技術科学大学
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