NTTドコモが銀行業へ進出!?
〜3つのシナリオとエンベデッド・ファイナンスの新潮流〜
株式会社マリブジャパン 代表取締役
事業構想大学院大学 客員教授
高橋 克英(たかはし かつひで) 氏
NTTドコモが「銀行業への進出」に言及しています。マネックス証券の子会社化やオリックス・クレジットの買収に続き、金融事業を強化することで、「ドコモ経済圏」の拡大を目指しています。先行するソフトバンクやKDDIが、PayPayやauブランドによる経済圏の拡大を進めるなか、「楽天経済圏」や三井住友SBI連合による「Olive」も拡大を続けています。
こうした金融DX企業の動きは、メガバンクや地銀など既存の金融機関には、更なる逆風となる可能性もあります。NISAの拡大により資産運用が注目されるなか、NTTドコモを中心にデジタル個人金融の最新動向を解説します。
1.NTTドコモによる「銀行業への進出」の影響
(1)「NTTドコモ銀行」3つの可能性
(2)候補となる既存銀行
(3)チャレンジャーバンクのメリット
(4)三菱UFJ銀行とのdスマートバンク
(5)マネックス証券との連携は
(6)「ドコモ経済圏」のポテンシャル
(7)ドコモの切り札は格付けとドコモショップ
2.迎え撃つ金融DX企業の対策と動向
(1)王者「楽天経済圏」の死角
(2)対抗するPayPayとau
(3)三井住友SBI「Olive」が快速
(4)JR東日本などネオバンクも拡大
(5)3メガバンクはどこを支援するのか
(6)既存銀行VSネット銀行
(7)ユーザーを掴む「ワクワク」感とは
三菱銀行、シティグループ証券、シティバンク等にて四半世紀、主に銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザーとして活躍。2013年金融コンサルティング会社マリブジャパンを設立。専門誌への寄稿、単行本の執筆、各種講演・メディア出演など広範に活動中。世界60か国以上を訪問。バハマ、モルディブ、パラオ、マリブ、ロスカボス、ドバイ、ハワイ、ニセコ、京都、沖縄など国内外リゾート地にも詳しい。映画「スターウォーズ」の著名コレクターでもある。1993年慶應義塾大学経済学部卒。2000年青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科経済学修士課程修了。日本金融学会員。著書に『銀行ゼロ時代』(2019年)、『人生100年時代の銀行シニアビジネス事例』(2020年)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(2020年)、『地銀消滅』(2021年)など多数。