全3回DX戦略 第1回 【2025年未来産業地図】
DXがもたらす産業破壊と再構築-ビジネス環境が激変する中、日本企業が生き残る条件-
(株)ICTソリューション・コンサルティング
代表取締役社長/クリエーター
冨永 孝(とみなが たかし) 氏
VUCAの時代と言われて久しいが、2020年コロナパンデミックから大きく急速に社会、産業、ビジネスは変わり始めた。特に、ウクライナ危機、中東危機の裏側で日本も含めて、着々と新社会への移行が始まっている。例えば、皆さんは以下の5つのニュースからどう未来の兆しを捉えますか?
-感染症危機管理統括庁設置
-EUで2035年全面EV化無期延期
-G7でAI宣言
-マイクロソフトがデジタル庁にAI協力申し出
-NTT完全民営化議論開始
未来の産業地図は、3つの変化からなります。
-DXによる「もの」「ひと」の経済の支配(もののVC:バリューチェーンの解体)
-産業の水平分業化(垂直統合の終焉)と社会課題別VCの構築
-あらゆるもののデジタルデータとそのインテリジェンス化
2025年には、多くの名門大企業が事業構造の転換を迫られ、その少なからずの企業は解体することが予想されます。日本のDXは、DX先進国に比べ周回遅れであり、このままいくとGAFAMに代表される新たなディスラプターの軍門に下る可能性があり得ます。如何に失われた30年から脱却して、再び輝くことができるか?
私は、必ずできると思います。その答えは、海外の企業にはありません。我々自身にあります。正確にいえば、我々が忘れていたものを思い出すことが最善にして唯一と考えます。我々が忘れたものとは何か?
一言で言うと、我々自身、つまり、この30年間、表面的に欧米の価値観やマネジメントをサル真似してきたことにあります。日本復活の鍵は、我々自身が自分自身のポテンシャル(脳力)に目覚めた上で、欧米から学ぶべきこと(科学技術、合理思考)を取り入れることだと考えます。ご存知の通り、スティーブ・ジョブズやラリー・エリソンは、日本から多くを学んでいます。西洋合理主義のブレークスルーの鍵は日本、東洋にあるのです。
今回の講演では、3つのことについて皆様と考えて、日本企業復活の道を考えていきたいと思います。
●すでに起こっている未来(兆し)
●未来がもたらすインパクト(解体と再構築)
●日本企業の危機突破に向けて(本当の自分自身を取り戻そう)
1.すでに起こっている未来
-兆しをどう見るか
-サステナビリティの行方
2.デジタルがもたらすインパクト(産業の解体、再構築)
-未来産業地図
-デジタルインパクト10
3.日本企業の危機突破に向けて
-失われた30年の意味を考える
-我々のDNAの中にある真の力に目覚めよう(5つの処方箋)
社会変革アーキテクト ビジネスクリエーター 経営コンサルタント/〜2008年 アクセンチュア(株) 統括エグゼクティブパートナー(通信)/2009年〜(株)ICTソリューション・コンサルティング 代表取締役社長(現職)/(株)デジタルイノベーション研究所 代表。
2002年 アクセンチュアグローバルよりQVS大賞受賞(グローバルベストコンサルタント)。長年に渡り、ICT業界(通信/IT/メディア)における各リーディングカンパニーの事業転換戦略、サービス開発、BPR戦略、及び事業構造転換(チェンジマネジメント)を支援。ICT戦略を通じて、各インダストリ(製造/流通/公共等)のイノベーションを支援。従来の業種別事業戦略から、業種横断的バリューチェーン戦略への転換を提言。伝統的なコンサルティングサービスに飽き足らず、イノベーティブなコンサルティングサービス(クロスインダストリ/ICT活用/仮説検証/対話型)の実績と更なるチャレンジ。近年は、総務省/文科省/経産省等への政策提言、及び、経営コンサルティング会社(国内外)/シンクタンクへのコンサルティングを実施。
【主なクライアント】大手通信会社大手IT会社へのコンサルティング、大手コンサルティングファーム、大手シンクタンクへの幹部教育、コンサルティング、政府への政策提言他多数。