蓄電池競争を軸にビジネスは大回転する
-テスラEVや家庭用、産業用におけるバッテリー戦略
-バッテリー交換式の覇権争いからレアメタル、ライフサイクルの焦点
元外務省 気候変動担当(含むG7、G20、パリ協定関連)
脱炭素メディアGXチャンネル発行人兼統括編集長
前田 雄大(まえだ ゆうだい) 氏
いまや世界のGDPの9割を占める国々が長期の目標としてカーボンニュートラルを掲げ、本格的な脱炭素時代に到来した。その中でも水面下で特に重要性を増してきているのが、蓄電池である。脱炭素時代の肝はエネルギーマネージメントになるが、蓄電池はその中核をなすパーツと言っても過言ではない。さらに、これまでは電気を消費する主体であった車が動く蓄電池としての文脈を見せるようにもなってきている。こうした中で、性能向上もさることながら、価格面での競争性も出てきており、家庭用蓄電池、産業用蓄電池といった用途でも拡大が見られている。さらには防災に資するという観点でも有力な候補となる。本セミナーではテスラの戦略や、アメリカエネルギー大手企業の動向を見つつ、蓄電池の国際的な競争などにもフォーカスを当てる。また、資源の観点でも重要になることから、レアメタル・レアアースの論点やリサイクルといったライフサイクルの面にも焦点を当てて講演を行う。
1.脱炭素時代における蓄電池
(1)再生可能エネルギーと蓄電池の関係性
(2)アメリカエネルギー大手ネクステラの戦略
(3)テスラのエネルギーマネージメント戦略
2.動く蓄電池としての車
(1)EVのコスト低減と蓄電池機能としての有用性
(2)電力マネージメントシステムの中のEV
(3)交換式バッテリーの開く未来
3.国際的な蓄電池競争
(1)主要国・地域のバッテリー戦略
(2)バッテリーを巡る覇権争い(誘致の実情)
(3)レアメタル・レアアース
(4)リサイクル論点
4.蓄電池のイノベーション
(1)自動車各社の取組み
(2)進化する素材
5.今後の展望
1984年生まれ。2007年、東京大学経済学部卒、外務省入省。
開発協力、原子力、大臣官房業務などを経て、2017年から気候変動を担当。G20大阪サミットの成功に貢献。
パリ協定に基づく成長戦略をはじめとする各種国家戦略の調整も担当。2020年より脱炭素フィールドに職を展示、2022年より現職。
現在は、所属先において脱炭素事業のコンサルを中心に業務を手掛ける他、「GXチャンネル」というYouTubeチャンネルを通じて脱炭素情報を日々発信中。
プレジデント・オンラインはじめ寄稿多数。書籍「60分でわかる! カーボンニュートラル 超入門」も発売中。