SSK 株式会社 新社会システム総合研究所

【米連邦議会が可決した1兆2000億ドルのインフラ法案が目指すもの】

米国のエネルギー革命とインフラビジネス2022

〜米国のエネルギーインフラ再構築の全体像からビジネスチャンスをつかむ〜

商品No.
O21527
開催日
2022年 1月14日(金)
価格
1名につき 40,000円(税込)
備 考
収録時間 2時間41分 テキストデータ(PDFデータ)つき

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1月14日(金)

米国のエネルギー革命とインフラビジネス2022

クリーンエネルギー研究所 代表
阪口 幸雄(さかぐち ゆきお) 氏

米国では、バイデン政権の目玉政策であるクリーンエネルギーへの大幅転換に伴い、2035年までの発電セクターにおける脱炭素化と、2050年のパリ協定遵守に向かってあらゆるセクターでの脱炭素化(化石燃料使用の停止)への方向転換が始まっている。トランプ時代の4年間も、民間と先進州が中心となった脱炭素化は進んでいたが、これからは連邦政府が旗振り役になる。ただし、(1)連邦議会の勢力が拮抗している、(2)民主党内でも中道派と左派の温度差がある、(3)来年の中間選挙で勢力図が変わる可能性もある、(4)対中国等の優先順位の高い懸案に隠れがちである等、連邦レベルのカオスさは相変わらずである。しかし、「エネルギーインフラ作り直し」は色々な分野で確実に歩み始めていると講師は肌で感じる。
具体的な温室効果ガス(GHG)排出に目を向けると、2018年に米国で排出されたGHGは、二酸化炭素換算で、約6ギガトン(60億トン)で世界の15%であり、28%の中国に次いで二番目に多い。
米国の最大のGHG排出源である運輸部門(全米排出量の28%)は、電化が比較的容易な乗用車部門でも2021年上半期(1H)のEV販売比率はわずか2.5%である。電化が難しい大型車両・鉄道・航空・船舶部門はほとんど手付かずの状態である。ちなみに、米国の鉄道の電化率はわずか10%である。
また、施設からの排出に目を向けると、米国で年間25メガトン(2,500万トン)以上の温室効果ガスを排出している施設は7,500箇所ある。これらの施設には大小の火力発電所、化学・セメント・鉄鋼・精製工場があるが、広いアメリカの国土に散在しており、老朽化している施設が多い。これらの脱炭素化までに残された期間はわずか28年であるが、これを「あと28年しかない」と見るのか「まだ28年ある」と見るかでは大きな違いがある。
米国は、スクッラプアンドビルドが得意で、ゾンビ企業が歴史の中で淘汰されており、脱炭素化を前向きに捉える向きが多いように講師は感じる。歴史的に見ても、大きなうねりの中では、変革を前のめりに捉えた企業なり産業が生き残っている。インフラを作る側にも、活用する側にもビジネスチャンスはある。
また、2050年に向かって、各種の技術なりサービスなりインフラが、それぞれの得意分野で貢献すると思われるが、技術・経済性・政策がバランスされなければいけないし、それぞれの技術やサービスは単独では成り立たない。
各分野で、日本企業が活躍出来る余地も大きいと感じるが、日本企業は過去にとらわれずに、「正しいアプローチを大胆に」取る必要がある。特に、水素とCCUSの動向に大きな未来を感じるが、水素、CCUSに限らず、恰好のインフラ作り直しの機会でありビジネスチャンスであるとみて、積極的に関与すべきである。
米国(シリコンバレー)に30年以上居住し、これらの流れをつぶさに見てきた講師は、昨年来、個別のクリーンエネルギー技術について15回にわたってオンラインで講義してきたが、今回は実際に会場で、最新のアップデートを含めて、その全体像を俯瞰すると同時に、相関性や因果関係を捉え直す。
その上で、エネルギーインフラのあるべき姿と、どこでお金が回るかについて、質疑応答を交えながら解説する。
年末の忙しい時期ではあるが、2022年のビジネスを考える貴重な機会であるので、奮って参加されたい。

1.米国のエネルギー革命とインフラ再構築
 (1)現在の米国のエネルギーとGHGの状況  
 (2)バイデン政権の脱炭素の目標と民間や先進州の動向
2.米国における個別技術の動向とインフラとの関連
 (1)再生可能エネルギー発電(大規模ソーラー・風力発電・分散発電・レジリエンシーへの取り組み)
 (2)エネルギー貯蔵(バッテリーとその他の技術の最新動向)  
 (3)産業部門と住宅における電化(熱と電力)
 (4)水素・アンモニアの多方面での活用(水素・アンモニアの製造・輸送・貯蔵のインフラと、より広範囲での利用)
 (5)CCUS(二酸化炭素の分離・輸送・貯蔵・隔離貯蔵・利用の経済性)  
 (6)運輸部門
3.インフラ作り直しとはどういうことか
 (1)「エネルギーは基本的にゼロサムである」とはどういうことか
 (2)「kWh価値」を見直すべき時期に来ているのか
 (3)民間は何を見て投資判断をするのか
4.どこでお金が回るのか
5.日本はこの流れの中で何をすべきか

阪口 幸雄(さかぐち ゆきお) 氏
シリコンバレー在住の著名コンサルタント。米国のクリーンエネルギーと、日本のビジネスへの影響にフォーカスしたコンサルタント会社の代表をつとめる。シリコンバレーを中心に、エネルギー問題の定点観測を長期間行い、今後の動向と日本企業の対応についてのきわめて明解なビジョンを持つ。専門分野は、エネルギー貯蔵、発送電分離、デマンドレスポンス、分散電源、太陽光発電、水素発電、電気自動車、等。
日本の大手エネルギー企業、日本政府機関、大学等のアドバイザーを多数務める。
シリコンバレーに30年以上在住。日立(日本と米国)にて17年間最先端の半導体の開発に携わったあと、そのビジネス経験や物性の知識を活用すべくエネルギー分野に。
ホームページhttp://www.technology4terra.org
「日経エネルギーNext」に「シリコンバレー発、電力Biz」を連載中
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/112900154/113000002/
※近著:【「脱炭素化」はとまらない! -カリフォルニアとハワイの場合-】
https://www.amazon.co.jp/dp/4425985214
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