医療データの二次利用に向けて医療機関に求められること
〜RWDの品質向上により実現される未来の医療〜
一般社団法人医療データ活用基盤整備機構
理事長
岡田 美保子(おかだ みほこ) 氏
日々の診療で蓄積されるリアルワールドデータ(RWD)が医療ビッグデータを構成し、その解析結果が医療現場にフィードバックされる、そうした流れが実現されている現在、患者は情報提供者であるとともに、情報を集合させて得られる結果の恩恵を被る立場でもある。しかし、RWDを集めたビッグデータが医療の質向上に繋がるためには、RWDの質が問われる。診療データが生成・記録され、格納されるステップは施設内でしか対応できない。高品質診療データの発生源が施設内に整備されること、それが最適な医療の患者への還元に繋がることが今日の医療ビッグデータ時代に求められる二次利用の姿といえるのではないか。
1.医療データの利活用が注目される理由
(1)医療ビッグデータ活用の世界的動向
(2)蓄積されるリアルワールドデータ活用に期待が集まる理由
2.リアルワールドデータ活用上の課題
(1)医療リアルワールドデータ上で課題になっていること
(2)医療リアルワールドデータの品質はどのような状況か
3.医療機関に求められること
(1)施設内における高品質リアルワールドデータ整備のために
(2)医療現場にフィードバックされる高品質医療データの利活用
(3)リアルワールドデータの利活用は二次利用の定義を変える
新潟大学教養部・統計学助教授、川崎医療福祉大・医療情報学科教授などを経て、リアルワールドデータの活用をご支援したく2018年5月より現職に至る。長年、医療情報学分野で活動。
2013〜2016年の間、日本医療情報学会理事長。計算機科学修士、医学博士。