【未来創造2060】
With/Afterコロナで加速する未来-データから読み解くテクノロジードリブンの有望成長領域と社会課題-
アスタミューゼ株式会社 テクノロジーインテリジェンス部長
川口 伸明(かわぐち のぶあき) 氏
未曾有のパンデミックにより、価値の転換を迫られる現在。しかし、その中でも、衰退するのでなく、実現までの行程が加速する技術・事業分野や課題があると弊社アスタミューゼは分析している。テレワークの浸透も、教育や働き方だけでなく、都市や移動のあり方にまで変革をもたらす可能性がある。気候変動や長寿社会も新たな事業や価値を生む源泉となり得る。
本講演では、特許・論文、公的研究資金、ベンチャー投資など約2億件のデータを用いて、未来の有望成長領域、解決すべき社会課題の動向を俯瞰し、新たな事業展開案を提示する。広く成長領域を網羅した拙著『2060 未来創造の白地図』をサブテキストに、New Normalの一端を可視化するとともに、シンギュラリティにも論究したい。
1.ヘルスケアの未来:デジタルヘルス、マイクロバイオームと脳腸相関、
再生医療、ナノ医療、知覚と身体性の拡張
2.食と農のデジタル化とロボティクス:Food Computing、気候変動への対応
3.生活・文化(スポーツ・ファッション・映像音楽等)・働き方の変化
4.都市と交通・移動の未来:都市モデル、Mobility as a Serviceの発展形
5.AIと脳:知の多様性と創造性、不確定性探査
6.特許・グラント(公的研究費)データからの萌芽技術、
イノベータ人材の抽出、定量評価の試み:量子コンピュータ、VR/ARを例に
1959年 大阪生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修了、薬学博士(発生細胞化学・分子生物学)。博士号取得直後に起業、国際会議プロデューサーなどを経て、2001年より、世界初の知財の多変量解析システム構築、知財力と経営指標の総合評価による株式投信開発、シードベンチャーへのプリンシパル&ファンド投資、事業プロデュースなどに携わる。2011年末 アスタミューゼ入社。広範な産業分野の技術・事業コンサルティング、約180の有望成長領域の策定、世界の研究・技術・グローバル市場(ベンチャー、上場) の定量評価手法の開発、それらを応用した成長領域レポート、社会課題レポート、経産省「イノベータに着目した技術動向分析」、NEDO「グラント情報及び特許等の分析による将来技術調査」などに関わる。おもな著書は『2060 未来創造の白地図』(技術評論社/2020年)、『生体データ活用の最前線』(共著、サイエンス&テクノロジー社/2017年)ほか。