WOC(創傷・排泄管理)の最前線
〜看護師の役割拡大からすぐに役立つ予防ケア、対処方法〜
社団法人日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程長
溝上 祐子(みぞかみ ゆうこ) 氏
高齢者が増加するこれからの医療現場では複雑な病態で慢性創傷を持つ対象者が増加します。これまでも褥瘡をはじめ糖尿病足病変などその予防に看護の質が問われてきましたが今後は医師のタスクシフトに応えて、創傷管理も協働していくことになります。その役割を担うには看護師はどのような知識や技術を手に入れればいいのか。今回はその責任を果たすための看護師のスキルアップに活用すべき特定行為研修の中身と得られる成果について解説します。
1.これから変革を求められる日本の医療
2.特定行為研修制度とは
3.特定行為「創傷管理関連」で学ぶ教育内容
4.創傷管理における看護師の役割拡大
大阪府済生会吹田病院 看護部
副看護部長 皮膚・排泄ケア認定看護師
間宮 直子(まみや なおこ) 氏
失禁に関連したスキントラブルは、苦痛だけでなく、自尊心にも影響を及ぼします。また、QOL低下にもつながることから、適切なケアとアセスメントで早期解決をすることが重要となります。本講では、失禁関連皮膚炎(IAD)の評価スケールである「IAD重症度評価スケール:IAD-set」を用いて、実際に評価したいと思います。また、失禁に関連するスキントラブルの予防ケアやすぐに役立つ対処方法を解説します。
1.スキンケアに必要な基礎知識
2.IAD(失禁関連皮膚炎)発生のメカニズム
3.IAD-setを使って評価してみよう! (IADのアセスメント)
4.失禁に使用する最新アイテム(おむつやスキンケア用品など)
5.知らなきゃ損!IADの予防方法と対処方法
総合病院国保旭中央病院 スキンケア相談室 看護師長
皮膚・排泄ケア認定看護師
加瀬 昌子(かせ まさこ) 氏
ストーマ周囲のスキントラブルは適切なケアがなされないと容易に悪化します。早期に適切な対応し、再発を防ぐためには、ケアにかかわる医療者が同じ視点で皮膚状態の評価が大切です。そこで、評価とケア提供について、日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術教育委員が開発した『ABCD-Stoma®に基づくベーシック・スキンケアーABCD-Stoma®ケア』の活用を推奨します。実際にABCD-Stoma®に基づきケア提供した事例を通して解説します。
1.ABCD-Stoma®ケアとその使用方法
2.ABCD-Stoma®ケアで採点してみよう!
3.ここまで進化!オストミーケア用品
4.ストーマ周囲のスキントラブル予防と対処のテクニック
1982年 東京都立荏原看護専門学校卒業、東京都立清瀬小児病院勤務 1987年 クリーブランドクリニック分校 聖路加国際病院ETスクール修了 2001年 日本看護協会看護研修学校認定看護師教育専門課程WOC看護学科 専任教員東京都立清瀬小児病院WOC外来、武蔵野陽和会病院ストーマ・女性外来兼任 2005年 武蔵野大学院 人間社会・文化研究科 人間社会専攻 修士課程修了(人間学修士) 2008年 日本看護協会 看護研修学校 副校長 併任 2010年 日本看護協会看護研修学校 認定看護師教育課程長 【専門領域】 ストーマケア、創傷ケア、失禁ケア、スキンケア、小児排泄障害のケア 【著書】 「小児創傷・オストミー・失禁管理の実際:照林社、2010(編著)」、 「褥瘡治療・ケアトータルガイド:照林社、2009(編著)」、 「知識とスキルが見てわかる 専門的皮膚ケア:メディカ出版、2008(編著)」 「早分かり 褥瘡ケアノート:照林社、2007(編著)」 他多数。
2004年 皮膚・排泄ケア認定看護師 資格取得
2011年 大阪府済生会吹田病院 副看護部長
2016年 特定行為研修 修了
2017年 滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科 医療安全管理学専攻 修士課程修了(医療安全管理学修士)
【所属学会】
日本創傷・オストミー・失禁管理学会(理事)
日本褥瘡学会(評議員・認定師)
日本フットケア・足病医学会(評議員・認定師)
日本ストーマ・排泄・リハビリテーション学会
日本フットケア・足病医学会関西地方会(世話人) など
2004年 皮膚・排泄ケア認定看護師 資格取得
2016年 特定行為研修修了
2019年 淑徳大学大学院看護学研究科修士課程修了
【所属学会】
日本創傷・オストミー・失禁管理学会評議委員
日本褥瘡学会関東甲信越地方会千葉県支部世話人
在宅関東甲信越地方会世話人
東関東ストーマリハビリテーション研究会世話人
地域研究会「あさひスキンケアフォーラム」世話人