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No.R06R0009

英国で存在感を増しつつある自治体電力(小売)のビジネスモデル

出版日 2018年8月
価格
PDFタイプ 92,000円(税込)
ページ数 148ページ
発行<調査・編集> (株)ロンドン・リサーチ・インターナショナル
備考 ※PDFデータファイルはメール添付にてのお渡しになります。 ※(1企業内、1カ国内での使用。追加は30,000円。)

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レポート内容

■概要■
 英国の自治体電力(ガスも含むので自治体エネルギーと呼ぶ)は、日本のそれと同様に市場自由化後の競争的なビジネス環境の中で出現してきた。他のエネルギー小売事業者同様に、全国を対象に主として一般家庭需要家に電気とガスを供給している。多くの数の家庭用需要家へのエネルギーの小売は、運営が複雑になるのみならず、いつまで経っても黒字に転換できないといったビジネスリスク、規制の法律に対する違反、ITシステムの支障等、高いリスクが伴う。
 自治体がこのようなハイリスクのビジネスを始めることは容易なことではない。というのは、エネルギーの小売は本来、自治体が提供するサービスではなく、仮に失敗すれば税金を投入せざる負えなくなる可能性があるからである。失敗は自治体の首長、議員たちの政治生命を絶つことになる可能性がある。
 一方、自治体エネルギーは自治体に様々な便益をもたらす可能性がある。そのような便益には、利益(配当金)、職の創出、再生可能エネルギー発電の促進、住民への安いタリフの提供等がある。加えて、自治体エネルギーは自治体による二酸化炭素排出量削減のための施策の実施機関となることが期待される。
 都市は世界のエネルギー消費の3分の2、そして二酸化炭素排出量の70%を占めている。国が公約する二酸化炭素排出量(カーボン)の削減目標を達成するためには、自治体の積極的な関わりが不可欠である。よって、各々の自治体は自主的に、あるいは法律で「エネルギー・カーボン戦略」を作成・実施するようになることが予想される。実際に欧州の多くの都市はこのような戦略を既に用意している。
 そのエネルギー・カーボン戦略には、カーボン削減のための様々な施策が含まれる。国は、そのような施策の中から費用対効果が高い順に、その実施を支援するようになるであろう。そのような施策にはエネルギー消費量の削減事業、より環境に易しい交通計画、再生可能エネルギー発電事業等が含まれるであろう。これらのうちエネルギー部門の施策の実施は自治体エネルギーが担当することになるであろう。英国の自治体エネルギーの一つは、同自治体のエネルギー・カーボン戦略の中の一つの施策として、設立された経緯をもつ。
 自治体エネルギーが今後、カーボン削減で重要な役割を果たすためには、まず本来の目的である小売事業に成功しなければならない。そのためには、各々の自治体に合った適切なビジネスモデルが必要となる。
 市場自由化後に設立された自治体エネルギーの数はまだ限られており、それらのビジネスモデルの研究は始まったばかりである。しかしながら、そのことは、設立の機会があれば、戦略的目的、株主の構成、ガバナンス構造等に関して十分な検討もなしに、その機会を生かせば良いというわけではない。それは上述した、自治体エネルギーに期待される長期的な役割を考慮すると、なお更である。
 本書は自治体エネルギーのビジネスモデルを、事例を含めて、包括的に考察した、おそらく最初の研究である。自由化後に生まれた自治体エネルギーは、日本のみならず英国においても、運営を始めてまだ2、3年しか経っていない。そのため、パフォーマンスの良し悪しに基づき、何がベストのビジネスモデルであるかといったことを述べることはできない。だが、どのような選択肢があるのか、といったことを含めて、体系的にビジネスモデルを検討する機会を提供している。自治体に限らず、エネルギー小売市場参入を目指す企業、更には近い将来自治体エネルギーと競争をするようになる既存の市場参加者にとっても役に立つ筈である。

-CONTENTS-

名称・略語一覧

1.はじめに
2.英国のエネルギー小売市場の概要
 ・市場の歩み
 ・市場での競争
  -電力小売市場のシェア
  -スイッチング
  -大手小売事業者の請求金額の内訳
  -ビッグ6各社のEBIT
 ・非伝統的ビジネスモデルの出現
 ・温室効果ガス排出量の削減
  -温室効果ガス排出量の推移と目標
  -電力セクターの脱カーボン
3.自治体エネルギーのビジネスモデル
 ・戦略的目的
 ・リスク
  -概要
  -ビジネスリスク
  -マーケットデザインリスク
  -違法行為を犯すリスク
  -ITシステムリスク
  -評判リスク
 ・運営開始までの手順と必要なリソース
 ・ビジネスモデル
  -ビジネスモデルキャンバス
  -フルライセンス
  -専用の電力ネットワークを使用した供給
  -ライセンス免除
  -ライセンスライト
  -バックアップの用意をした供給
  -ホワイトラベル
  -実施モデルの比較
4.Robin Hood Energy
 ・Nottinghamの特徴
 ・運営開始までの歩み
 ・ガバナンス構造
 ・タリフ
 ・ビジネスモデル
  -戦略的目的
  -実施モデルの選択
  -Robin Hood Energyのビジネスモデル
 ・パフォーマンス
5.Bristol Energy
 ・Bristolの特徴
 ・運営開始までの歩み
  -Bristol市による環境に関する取り組みとスタディ
  -European Local Energy Assistance (ELENA) programme
  -リスク評価
  -設立の最終承認
 ・ガバナンス構造
 ・タリフ
 ・ビジネスモデル
  -戦略的目的
  -実施モデルの選択7
  -Bristol Energyのビジネスモデル
  -考察
 ・パフォーマンス
6.Our Power
 ・概要
 ・ガバナンス構造
 ・タリフ
 ・ビジネスモデル
  -戦略的目的
  -Our Powerのビジネスモデル
  -考察
 ・パフォーマンス
7.Ovo Community Energy
 ・概要
 ・Fairer Powerのタリフ
 ・Fairer Powerのビジネスモデル
8.まとめ

<付録>
1.環境・エネルギーに関するBristolの市民団体の例
2.EDF Energy、Ovo Energy、First Utilityのタリフ
3.Our Powerの2021年までの損益予測

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